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17. ――― 訓練

 アイラが剣術が好きと答えてから、彼女に剣術を教え始めた。

 もちろん剣術だけでなく、アイラを情報収集員にするために、この世界の文字を教え、魔法も教えた。


 そして、アイラに日本語も教えた。そうしたら、俺たち二人だけで読める暗号を作ることができる。


 書斎に行く少し時間を利用して、內緒でアイラを訓練した。


 剣術も文字も魔法も教えると、彼女はすぐに自分のものにした。


 たとえ挫折しても、アイラはあきらめずに頑張った。

 剣術においても、アイラの動作は非常に敏捷だった。


 これは精神と器用の能力レベルSの証だ。

 アイラはダイヤの原石、磨けば磨くほど輝きを増す。全心血を注ぎ込み、彼女を徹底的に鍛えた。


 そのために、俺はまたアイラに《無詠唱》と《多重詠唱》を教えた。魔力をアップする方法も教えた。


 万が一アイラが裏切った場合、俺は躊躇なくアイラを殺す。

 ただ、アイラが裏切ることはない。転生前に習得していた洗脳技術を応用し、アイラに絶対の忠誠心を抱かせている。

 思想をコントロールして、アイラの心に俺に対する尊敬と崇拝の念を抱き続けさせている。


 これでいい、愛情や友情という感情は要らない。でなきゃ、俺たちの関係を邪魔する。


 今は夜中、アイラと草原にいる。

 アイラがミスリルでできている剣を振っているのを見ていると、彼女の巧みな足並み・柔軟な動きが俺を魅了した。将来アイラは剣術において俺の上になるかもしれない。


 そのミスリルでできている剣は、ケールが数日前に俺に贈ったものだ。アイラに貸して練習させた。


 ケールは俺にその剣で真剣勝負を要求し、俺は同意した。


 真剣勝負の時、ケールは前回の敗戦に闘志を燃やし、本気になり、狂ったように俺に向かって攻撃しつづけ、息をつく間も与えなかった。だから、俺は惨敗した。


 その時、前回の勝負ではケールに躊躇があったことがわかった。その後の対戦は全部俺の負けだった。悔しい。


「ちょっと休憩しよう、アイラ」


 アイラは動きを止め、こっちを見た。


「はい」


 アイラは《洗浄》を使って汗まみれになった全身を綺麗にした。

 アイラの今の魔力値では、中級の魔法と剣技を発動するのには余裕がある。


 俺の魔力値では、王級魔法を発動するのには十分だ。でも、書斎の本は王級以上の魔法について内容が少ないから、レベルアップの仕方がわからない。

 しかし、今は上級魔法をマスターし、少し超級魔法が発動できる。機会があれば、ロアに王級魔法を教えてもらおう。


 そして、アイラはたまに俺と対戦していたが、実戦経験が少ない。そうでなければ、彼女の能力には非の打ち所がないのに。


 アイラは剣を鞘に収め、俺のそばに座った。


「アイラはだんだん強くなっている」

「いいえ、恐縮です。ご主人様こそ、とても強いです。ご主人様とわたくしとでは、まるで月とスッポンです。ご主人様はとても手の届かない存在です」


 アイラの頭を撫でて彼女に微笑みかけた。


 機が熟せば、アイラに暗殺のスキルを教えよう。


「なぁ、アイラ、魔物を倒してみようか?」

「魔物を倒すのですか?」

「そう。魔物を倒せば、もっと強くなれるよ」


 アイラのレベルをアップさせることができるし、彼女に実戦経験を積ませることもできる。一石二鳥だ。


「わたくしはもっと強くなりたいです、魔物を倒したいです、ご主人様」


 突然、魔物の気配を感じた。


「ちょうど、噂をすれば影だな」


 ケールは気配をどう察知するかを教えてくれたことがあった。


 空気の流れを利用して方向と所在地を判断する。だが、《周囲感知》ほど正確ではない。時々判断を誤ることがあり、それに魔物が息を潜めていては感知できない場合もある。

 しかし、空気の流れが異常である限り、すぐ気配に気づく。


 俺の判断はそれほど正確ではないので、《周囲感知》を発動した。


 いた。後方約300メートル、七匹の魔物が俺たちに向かって来ている。


「どうしましたか、ご主人様?」

「戦う準備をしよう。魔物が来た」

「はい」


 俺たちは立ち上がり、俺は《収納箱》からウィンチェスターライフルを取り、アイラは剣を抜いた。


 俺は《光球》を発動して周りを明るくした。

 よく見える、魔狼だ。


 アイラは臆することなく前へ突き進んだ。俺はその中の1匹の魔狼に狙いを定めて引き金を引き、《炎刃》を発射し、首を切って殺した。


 アイラは飛び上がり、雷属性下級剣技《雷打ち》を使い、魔狼を軽くチョップした後に三回斬撃をした。四匹の魔狼を完璧に斬り殺した。


 俺はアイラの背中にとびかかってきた魔狼にもう一発を発射して殺した。

 彼女が振り向いて最後の魔狼を突き刺すと、魔狼は悲鳴をあげて死んだ。


 魔狼の群れを倒した。これでアイラのレベルがアップしただろう。《鑑定》を発動した。


 ――――――――――――――――――――――

【アイラ】

 称号:ノルス・ガルメス專属の奴隷

 年齢:四歳

 性別:女


 レベル:5/∞

 HP 780/780   

 MP 660360/660360


 力  D   水 D

 体力 C   火 D

 知性 D   風 D

 防御 C   岩 D

 速さ B   土 D

 精神 S   草 D

 器用 S   雷 D

 運  D   光 D

        闇 D

        無 D


 固有スキル:

 《治療魔法中級》LV.3 《中級剣技》LV.6 《中級魔法》LV.5 《多重詠唱》LV.3 《無詠唱》LV.4

 ――――――――――――――――――――――


 レベルは5になった。


「上出来でしたか?……。ご主人様、わたくし、魔物を倒しました。その時、力がだんだん湧いてくるのを感じました」

「よくやったね、アイラ」

「はい!」


 ウィンチェスターライフルを《収納箱》に入れた。

 アイラの服が魔狼の血で汚れたので、《洗浄》を発動してアイラの服を綺麗にした。


「ありがとうございます、ご主人様」

「アイラの実力は凄い。千年に一人の逸材だって思った。将来、きっと凄腕の戦士になる」


 アイラの頬に涙が流れた。


「わっ、わたくし、初めてほめられました。前はずっとみんなからわたくしは不器用で役たたずなどと言われ続けてまいりました。ご主人様にほめられることは初めてです」

「お前は不器用じゃない、逸材だ。だからこそ、俺にはお前の力が必要だ」

「必要と言われたことも初めてです」


 アイラはいきなり俺に抱きつき俺の懐で泣いた。心に溜め込んでいた感情が爆発したようだ。


 左手でアイラを抱きしめ、右手で彼女の頭を撫でた。


 暗殺を為すための助手として、アイラをしっかりと育てないと。やはり見間違えていない。この子は優秀な人材だ。

 アイラに上質の訓練を施せば、絶対に輝く。彼女に強大な信賴を持っている。


 アイラは泣き止んで俺の顔を見上げた。


「申し訳ございません。わたくしの涙がご主人様の服を汚しました」

「こんなことない。気分を適当に開放することで、自分自身をリラックスさせることができる。抑えつけたら、むしろ憂鬱な気分になってしまうよ」

「はい」


 涙を拭いて俺に笑った。


「その、先ほどご主人様が使っていた武器は何ですか?」

「ウィンチェスターライフルか」

「ウィンチェスターライフル、この名前は初めて聞きます。ご主人様、ウィンチェスターライフルはなんの武器ですか?」

「銃だよ」

「じゅう、これも初めて聞きます」

「銃に興味があるか?」

「はい、わたくし、銃に興味があります」


 興味があるなんて嬉しい。


 俺はもう一度《収納箱》からウィンチェスターライフルを取りだした。


「じゃ、お前に使い方を教えてあげよう」

「はい」

「まず射撃姿勢は頭の位置。基本的な立ち撃ちでの姿勢は、肩幅に足を開いて、ひざにクッションを持たせて、若干の前傾姿勢だ。しかし、射撃は衝撃が強いので、全身で揺れを抑える必要がある。そうでないと射撃に誤差が発生する。銃に魔力を注ぎ、照星で獲物に狙いを定めた後、引き金を引く」


 説明しながら操作して見せた。

 引き金を引くと、「バン」と音がして、発動された《炎弾》は高速に前へ向かって進んだ。


 アイラは目を一杯に開けて見ていた。


「どうだい?」

「とてもかっこいいです」


 ウィンチェスターライフルをアイラに渡した。


「俺の言ったとおりにして」

「かしこまりました」

「そうだ!俺に向かって射撃しよう!」

「えっ!?」


 俺の話を聞いて、びっくりした。


「お前の精度をテストしたいから、俺に向かって射撃しろ!」

「よっ、よろしいですか?ご主人様に向かって射撃するなんて」

「安心しろ、大丈夫だから」

「はっ、はい」


 30歩行ったところで立ち止まり、振り返ってアイラと向き合った。


「さあ!」


 アイラは銃を持って俺を狙った。しかし、彼女の手は震えて、なかなか発射しようとしない。アイラは恐れている。


「ぐずぐずするな!早く発射しろ!」

「でも、わたくし……」

「でもじゃない、引き金を引け!」

「はっ、はい」


 アイラは再び俺を狙って魔力を注ぎ、魔法陣が現れると引き金を引いた。

 《炎弾》は俺に向かってやって来た。


 俺はすでに準備していた。右手に魔力を注いでいた。


 《魔法呑噬》発動。魔法陣が現れてブラックホールになり、《炎弾》を飲み込んだ。

 よし、成功した。


 《魔法呑噬》は闇属性超級魔法、文字通り、魔法を呑噬できる。


「言ったじゃないか?ほら、俺は大丈夫だ」

「はっ、はい……」


 アイラは両足がすくんで床に跪いた。


 狙う精度が完璧だ。アイラに射撃の部位を教えたら、最高の助手になる。


「そろそろ、帰ろう」

「はい」


 床に跪いたアイラを引き起こした。


「ありがとうございます、ご主人様」


 アイラの前途は明るく満ちているんだ、彼女をちゃんと鍛えないと。


 ゆっくりとアイラと屋敷に帰った。

「とても面白い!」

「読み続けたい!」

「更新を期待です!」


とか思いましたら

是非下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、素直に感じた気持ちでまるで構いませんか!

よろしくお願いいたします。




                  白皇 コスノ 拝啓

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