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コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
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かわいいものを慈しもう

「さぁ、遊ぶよ!」

 コラが関節をカクカクさせながら、みんなに言った。


 わんぱくはニコニコしている。

 いけさんは殺気を放っている。

 こむはぼーっとしている。

 他の動物たちは言葉がわからないのでただ集まって来ているだけだった。


「何をして遊ぶんだい、コラくん?」

 わんぱくが気持ちのいい声で聞いた。


「今日はね、かわいいものを慈しもう」

 コラはそう言うと、自分の持って来たかわいいものをたくさん、膝から出した。


「ほう、かわいいねぇ」わんぱくが言った。

「ギッタギタにしてやってもいいのかい?」いけさんはかわいがる気マンマンだ。

「『いつくしもう』って何?」こむが聞いた。


「さあ、思う存分かわいがってくれていいよ」コラはうたのおにいさんのように爽やかに言い、こむから目をそらした。


「ねえ、『いつくしもう』って何?」こむがまた聞いた。


「そ、そんなことも知らないのかい?」コラが笑う。


「知らん」

 こむは飴を舐めながら、言った。

「教えてくれ」


「バカだな、こむは。『いつくしもう』じゃなくて『いつくしむ』を『しよう』ってことだよ。わかった?」


「『いつくしむ』って何?」


 こむがあまりにしつこいので、コラは辞書を引いた。辞書には『慈しむ(いつくしむ)/(目下の者などを)かわいがること』とあった。

 かわいいものをかわいがろう、と自分は言ったのだな、と理解すると、コラはなんだか恥ずかしくなった。

 重複している気がした。

 答えを言うのは自分のプライドが傷つくことのような気がして嫌だった。


 わんぱくといけさんはいつの間にか帰ってしまっていた。


 するとこむが言った。

厳島(いつくしま)神社ってあるよね?」


「それだ」

 コラはこむを指差した。

「それでいいよ」


 こむはかわいいものをすべて厳島神社へ運んで行ってしまった。



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