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2.森へ

お手柔らかに

 

 40kmほど歩いただろうか、、まだ森へ着くのは時間がかかりそうだ。

 周囲を観察しながら歩みを進めていたが、生物は全く見つからない。



「ッ……」

足の裏が痛む。見てみると皮膚が赤く、指先は血が滲み擦り切れている。



 荒野のところどころに腰を掛けれそうなゴツゴツした岩がある。そこに座り、少し休むことにした。




「……静かだ」

 荒野を吹き抜ける風の音が聴こえる。


 この世界に来てから全然情報が得られない。それがまた不安を加速させる。


 ふと森への進行方向とは反対を見渡す。


「なッ…!」

 即座に岩陰に隠れる。


 まだ此処からは遠いはずだが、今にも殺されそうなほどにとてつもない恐怖を感じる。


 此処から遠く離れた上空に何かが飛んで来ているのが見えた。

 息を殺しジッと観察する。自分の呼吸の音など聞こえるはずがないが、ソレから放たれているであろう威圧感がそうさせた。


 数十分して全体像が明らかになった。 

ソレはマンモスに複数の翅が生えたような姿をしていた。目に映るソレはとても異常なものに思える。


 近くに迫って来れば来るほどに異常さが分かる。

とんでもなくデカイ、デカすぎるのだ。


 小さな頃、ジャンボジェット機を近くで見た時はこんな大きな物が空を飛ぶなんて凄いと感心したものだが、目に映るマンモスのようなものはそれの比ではない。小さな山が飛んでるような感覚だ。


 岩陰に息を潜めマンモスが通り過ぎるのを待つ。


 上空をマンモスが通過する。翅が高速で羽ばたいており太陽光は翅を透過していた。

 不思議なことに、翅の音などが一切しなかった。



 強い風が舞うこともなく、何事もなかったこのようにマンモスは森へと向かって行った。



「な、なんだったんだ…

 なんなんだあのデカさは…」


 緊張が途切れ身体に力が入らない。


 神様が最後に言った言葉が耳に浮かぶ。

『人類が存在するのかどうか…』



「―――本当に人類が存在しないなんて事はないよな…」


 このまま森へ行くのが躊躇われる。











 足の痛みに耐え森の近くまできた。

 森に近づくにつれ分かってきた事だが、この世界の植物は異常だ。


 これもまた大きいのだ。

 一本一本の樹が大きく太い。高さ太さ共に日本で見かけた木々の3倍はあろう大きさの樹が連なっている。

 ジャングルのように足の踏み入れ場所がないという訳ではないことだけが救いだろうか。


 近くで見れば圧巻だ。樹齢何千年だろうか…

 樹の幹周辺には葉が掌サイズの青々とした緑としてある。葉を千切り考える。

 正直このまま森へ入っても生きて行ける自信がない。私には何もないのだから。


「出来る限りのことをして死んだのならしょうがないよな…」

 すでに死を受け入れる覚悟をし、心は先ほどより平静としていた。




 千切った葉を二の腕に擦りパッチテストを試みた。


 しばらくしてパッチテストに問題が無さそうなことがわかると茎と葉をいっぱい千切り腰回りに巻き原始人のような風貌になる。何も無いよりかはマシだろう…。

さらに、葉を重ね茎で草履のようなものを作る。とてもブサイクだが足の痛みが軽減出来るはずだ。


 先程から太陽の位置は変わらない。

「夜は来ないかもしれないな…」




 荒野で拾った尖った石を持ち、改めて決意を固める。

 

覚悟にも絶望にも似た表情を浮かべ森へ入っていった。


この森ヤバそう

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