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『或る小説的思想集』

『思想の交換における、一つの思考』

『思想の交換における、一つの思考』



何かを考える時、大抵は、とりとめのない日常についてだろう。例えば、信号が赤になれば止まるし、青になれば進むのは、本当の、本当にちょっとした、とりとめのないことだ。しかし、その光の記号を見間違えれば、人間は死に至るし、死を引き起こす。とりとめのないことだとしても、重大なことだ。

此処に、一つの思考を見るとき、人々は共通認識として、社会で知らぬ間に教えられた認識を持っていることが見出される。これは、信号に限ったことではなく、様々なことに言えることで、その思考は、人が生きる上で、非常に重大な常識として君臨している。



人間は、恐らく、人間以外の動物とは、この思考を生み出した数々の思想を完璧には交換できない。しかし、例えば盲導犬などは、人間の仲間入りをする端緒の動物であって、動物的に教えられたその思考は、目の見えない人間を、安全圏へと運ぶ。つまり、人間に近い動物である。

而して、鳥類や魚類などは、随分と異なった動物である。空が飛べる、水中で呼吸をする。人間はこれらに追いつくべく、飛行機や潜水艦を開発した。人間は、人間が出来ないことをできる動物を、羨ましがるようであり、また、当たり前の様に、その進歩は進化論であろう。



話を元に戻すと、結局、一つの思考に対して、人間は、人間とも、その他の動物とも、思想を交換したいのだと思う。思想の交換は、意志の伝達であり、意識の共有である。この状態に陥る時、人は歓喜するのである。だから、発明者の孤独は、世界にその発明が行き届き、共感出来るとき、初めて孤独の解放がある。

つまり、生きるとは、述べてきた様なことだ。思想の交換における、一つの思考を今日も抱き、また、考えながら、人間は生きていく。そして、一つの思考が、幾重にも発展すると、文化、といった言葉が、其処に与えられるのだろうと思う。

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