第五話
お母さんと話した次の日。放課後、図書委員の仕事でカンウターで本にバーコードを張り付けいた。
これがないと本を棚に並べる事が出来ないのと貸し出す手間が減るからだ。張り付けたら棚に入れていくだが、相方の図書委員は病欠で私しかいない。棚に入れていくのも私だ。帰るが遅くなる。
軽くため息を吐いていると誰かが入って来たみたいで扉が開く音が聞こえてきた。
「あっ、いた」
図書室はには私か入って来た人しかいないので「いた」は私だろう。作業を止めて顔を上げると昨日も会った……桜木圭だった。昨日の事があったので若干身構えしまったのは内緒だ。
「本を借りに来ましたか?」
図書委員の仕事モードを入れて話し掛けた。
桜木は気まずそうに頬を掻いてから頭を下げた。予想外の行動で困惑している私を余所に桜木が話し始めた。
「昨日はすみません。眠気と妙なテンションで失礼な事した」
「あ……あぁ。別に実害あった訳でもないし、むしろ暴力を振るった私も悪い………のか…………な?
まぁ、病人になのにこちらこそすまなかった」
「あ………あれ? なんで病人だと」
「昨日、ブレザーの胸ポケットから睡眠導入剤が見えた」
放課後のお茶会で慎に聞いて教えてくれた。睡眠導入剤……それも病院から処方されるヤツ。
「そうなんだ。どちらにしろ女子にする事ではなかったから俺の方が悪いよ」
昨日とは印象が違うな。さっき言ってたように眠気などせいなんだな。話してみてネットで騒がれてたようにいきなり人を殴るような人ではなさそう。むしろ理由があったじゃないかな。
「謝罪は受け入れるよ」
朗らかに笑顔を見せてるとホッしたように見えた。そのまま立ち尽くしていたのでまだ何かあるのか?
「まだ用事でもある?」
「いや、普通に接してくるから新鮮で。周りは俳優の桜木圭として見てくるから嬉しくて」
なるほど、入学式でも女子が集まって笑顔を振り撒いていたりで…………疲れるだろうな。まともに寝れなく、睡眠導入剤を投与するほどだから相当にストレスなどあるだろう。そう思うと素直に同情する。
「また空き教室で寝ていると昨日の事がまたあるよ。保健室で寝させて貰ったら?」
「それだとスキャンダルの種が出るからな」
「なら司書室で眠るか?」
「司書の人に許可を取らないと…………それに無理だろ」
そうゆうと思って桜木の前にひとつの鍵を見せつけた。その鍵は司書室のだ。
「なんで持ってる!?」
「司書の先生が休みの時は私が臨時司書だから」
免許ある訳でもないからダメなんだが、なんだかんだで袖中先生の推薦で臨時でやる事になった。全責任は袖中先生が持つ事になって奥さんにかなり怒られたそうだ。
ちょっとドヤ顔してやると目頭を押さえながら堪えている。
「色々とツッコミしたいが、それなら寝るのに使わせて貰うかな」