第三話
「あっははははははははははははは!」
「私としては笑い事じゃないだが」
あの後、普通に授業を受けて放課後に彩希ともう一人と共にマルドナルドに来て昼休みに合った事を話した。
もう一人は注文したのを待っている。
「いや、普通は平手打ちでしょ。なのに転ばすって」
「殴ったのは咄嗟だったが………その後のは体が自然と動いた」
若干恥ずかしくて彩希から視線を外しながら呟いた。それを見ていた彩希はお腹を押さえて声を上げるのを堪えている。もう言葉も出ないのか。
「でも、知華だからよかったよね。もし私だったら」
「海にダイビングか空からスカイダイビングさせます」
彩希の言葉を遮るように注文したのとやって来た眼鏡を掛けた知性的に見える男子生徒………彩希の付き人の八神慎。付き人の時点でわかるように親は893さんで彩希の所に務めていて、彩希の護衛だ。眼鏡は伊達で周りの目を誤魔化している。
「一応聞くが、装備あり?」
「なしの方向で」
相変わらずの忠誠心の高さは感心でしかない。
「慎は物騒だね」
「お嬢は少しでも警戒心を持って下さい」
「キスのひとつやふたつくらい大丈夫だよ………それに慎が守ってくれるし」
「お嬢を守る為ならば火の中水の中まで行きます!」
守るのはいいが、自分の命くらいは守ったらとは言えなかった。リアル行きそうで怖い。
「それで坂雪さん、その桜木圭を殺せばいいのですか?」
「それはなしで」
「では、社会的に殺すので?」
「それもなし! なんで殺す系しか出て来ないのかね!?」
八神さんは忠誠心はないが友人として捉えてくれてるが、行き過ぎな気がする。(現実逃避)
しかし、なんで殺すのに直結してしまうだろうか。それ以外の選択もあってもいいだろ。
「友人が出来なかったお嬢の初めての友人ですから、タマ張ってお守り致します」
「慎よ、それだと今までボッチだったような言い種だよね」
まぁ、中学時代私が接するまで友人がいなかったからな。勇者で下心ありの男子もいたが、女子たちには仲のいいクラスメイトカテゴリーだった。
「でもまぁ、知華の為なら困り事ならいつでも相談に乗るよ」
「ありがとう」
ありがたいが正直相談に乗って貰っても物騒な事になりそうで、どれを話すか選ぶ必要あるな。
「そうだ八神さん、薬について詳しい?」
「表から裏まで詳しく勉強させめ貰ってます」
表のか裏は詳しく聞かない。覚えている表記を話すとすぐに教えてくれた。