第二話
入学式も終わって二週間くらい過ぎた。その頃には学校にも慣れてクラスメイトたちとも良好な関係を築けている。委員では図書委員になった。本が好きたから丁度よかったくらいだ。
お昼休み、彩希君と一緒に食べた後軽く話していた。それは桜木圭へと盛り上がる女子たちは凄いと話しだった。
「でもそんなに盛り上がる事なのかな?」
「手に届かないのか届く位置に来たくらいじゃない」
「映画をよく見てるのに彩希は普通だね」
「映画は好きだけど、あまり俳優とか興味ないし………」
彩希がそうゆう人だったのを忘れていた。彩希が携帯を触り、私は読みかけの本の続きを読もうとした時に声を掛けられた。
「坂雪、ちょっと手伝ってくれ」
担任でもある先生だった。袖中教師…………お父さんの友人であり私の初恋の人の父親だ。あと兄さんの担任でもあった。
断る理由もないから先生について行った。
「素直に手伝ってくれるとは、結心とは違うな」
「別に断る理由がないので、それに面倒事だったらおばさんに報告します」
「そこは似てほしくなかった」
今だに交流もあるが………大出版社の相楽もな………そもそも我が家が普通じゃないか。両親の祖父母が掛ける普通じゃない。お母さんの方は引退した国家議員の娘(祖母)の孫で大学教授の祖父。お父さんは黒峰グループのトップの祖父で愛人でありながら本妻とは親友の祖母。
兄さんが問題を起こした後、聞かされた家族関係で笑えもしなかった。色々と聞きたいが飲み込むのに大変だったな。
「なんで普通の生活が出来てるんだろ」
「シノたちが気にせず普通にしてるからだろ」
「先生もそう思いますか」
お父さんは警察官、お母さんは専業主婦………一般的なんだが………普通ってなんだろう。
心の中で深いため息を吐きながら袖中先生の手伝いをした後、予鈴がなったので教室に戻ろうとしたら階段を上がって行く人影が見えた。
サボりかなと思い注意しに行く為に追い掛けた。そして空き教室に入るの確認して入って行く。
窓際に置いてある椅子に座り眼を閉じてる男子生徒。起こそうと近く寄ると胸ポケットに紙のケースが見えた。
「これって…………」
思わず呟く声に反応したのかさっきまで眼を閉じていた男子生徒が目を覚ました。
「君は誰?」
「えっ………坂雪知華です」
聞かれたので反射的に自分の名前を教えてしまう。
男子生徒を見ているとここでようやく思い出した。入学式の日に校門で騒がれてた人……桜木圭だ。
後の事はプロローグの通りになった。
次回予告
知華「このコーナー復活するのか?」
ハル「凄く久しぶりだな~」
知華「まぁ、お母さんは結構出てたね」
ハル「そうそう……次回予告『第三話』…………やる意味あるのかな?」
知華「前とは違うから」