プロローグ
長い間執筆をやめていましたが、今日から再開していきます。不定期投稿になりますのでよろしいお願いします。
『星空ペダル』はまだ停止しています。続き思い付かないので。
初恋は決して実らないのはよく聞く話だった。これほどまでに敵わなくて、そして努力を続けて来た人……………兄さんの幼馴染み琴羽さんには拍手と祝福しか出て来なかった。そして不思議とショックや落ち込みはなくて……むしろ爽やかだった。
こうして明さんと琴羽さんが付き合い始めたのを兄さんから聞いていた私の初恋は終わりを告げた。
それから四年後、私は兄さんが通っていた学校に通う事になって順調だと思われたが…………それも少しの間だけだった。
「これはなんの真似かな?」
「いや~、サボってる所を話されると俺してはマズイだよね」
私は現在使われていない教室で壁を背にして男子生徒に迫られていた。そして逃げれないように両手で塞がれている。
これは他の女子は歓喜の声を上げて喜ぶだろう………イケメンらしい………私としては興味ないが。そして少女漫画みたいな展開。まぁ、話しの内容からしては大分違うな。
「キスして上げるか黙ってくれる………有名人と出来るだから役得でしょ」
ありえない事を言ってくる男子生徒に驚きは隠せなかった。そうして迫ってくる顔に拳を握って顎に叩き込んだ。こんな事に乙女の大事なのを渡してたまるか!
予想外の攻撃で後ろに数歩下がった瞬間に右足で両足の後ろに回して、右手で後ろ襟を掴みながら下ろした。
頭を打たない程度に力を弱めながらしたが、男子生徒が尻餅を突いた。
「知らない奴にファーストキスをあげない!」
「知らないって…………俺有名人なんだけど………自己紹介したのね?」
「興味ない!」
また迫られるかも知れないし、言いたい事も言ったので教室から走って出て行った。
あんな人だとは思ってもいなかった!自己紹介の時は爽やかな感じで好感は持てたのに。
~???サイド~
サボってるのを見られて黙っていてくれるように、口付けをしようとしたら……………顎を殴られる上に投げ飛ばされるとは思ってなかった。
イケメン…………自分で言うのなんだけど……………まぁ、イケメンで有名人な筈なんだが。
「興味ないか……………」
最初見た時はメガネを掛けて、腰まで届きそうな黒髪を簡単に纏めた真面目な奴……そこら辺の女と変わらないと思っていた。
「確か……坂雪知華だったな」