受験生
一度離れていた勉強に、戻ってきた。
挫折の後に目指す、本来の道。
一度も諦めなかった勤勉な人が、栄光の道を爆進していくのを噂で聞きながら。
地道に錆び付いた三輪車の手入れをする。
最初から勝てるなんて思ってない。
それでも、お前のやり方を見せてくれと世間が言う。
勤勉になることは、案外難しくはない。
力をつけることは、想像出来ないぐらい簡単じゃない。
頑張ってるねと言われれば
外見と中身のギャップに身悶えする。
そんな自分に嫌気がさして
こんなのは自分じゃないと思い詰めて
気軽に出来る堕落に手を出す
それでも次の朝には元の生活に戻って
三輪車は迷いながらも走っていく
前へ進め
前へ進め
一メートルでも前に