表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
片翅の蝶  作者: 零灑
11/11

玖羽目:お嬢様の闇―中編―

お願い――


お願い――――



神様、あの子を助けて下さい―――




「っ!……うわっ!」

「……!瑠亜チャン大丈夫!?」

「だ、だいじょ、ぶ……!それより急がないと!」


間に合って!コケて立ち止まってなんていられない。

速く動いて私の足!!お願いだからっ!!!


廊下を全力疾走する、私と千波せんば君。

何故、走っているか。



それは―――遡ること5分前


「立夏〜、ケータイなってるよ?」

「ん、そうだな……」


千波君が指摘して、やっとケータイが鳴っているのに気付いた速水先生。

ポケットからケータイを取り出し、面倒くさそうに電話に出る。


「あ〜……俺だ。お前は誰だ?」


……俺だ、って……なんか、すっごい速水先生らしい応答……


「本当、立夏の電話の出方は変わんないよね、昔からさ」

「あれ?千波君、昔からって?」


そう、私が聞くと千波君はその綺麗な顔をこっちに向けて、ニコリと笑った。


「俺達はさ、すっごい小さい頃からZ組なんだよね。

 だから、Z組と仲のいい立夏とはそのくらいからの付き合いなんだよ」


へぇ〜、と私が答えようとしたときだった。


「何だって!!?」


隣で電話をしていたはずの速水先生が、叫んだ。


「……立夏?どうしたの?」

「ちっ……面倒なことになりやがったぜ……」

「……?どうしたんですか?」


なにやら、只ならぬ雰囲気で……

どうしたのだろうと、私は思っていた。


「……お前ら、俺たちが直ぐ行くから待ってろ!!!」


速水先生はそう言うと壊れちゃうんじゃないか、ってくらい乱暴にケータイを切った。

本当に、どうしたというのだろう……


「立夏?ケータイ壊れたら大変じゃん」

「………いいか、よく聞け二人とも」

「何だよ?」

「………?」


ゆっくりと速水先生が言葉を紡ぐ。







『故意的ではないようだが――芽衣が資料室に閉じ込められた』







―――その言葉を聞いた途端だった。




千波君の表情が、焦りへと変わった。




「嘘、だろ……?嘘だろ!?立夏!」


声を張り上げ、速水先生の胸元を掴む。

らしくない……。何があったの?


「千波君……?」


「立夏は知ってんだろ!?あいつが――芽衣が、






 閉所恐怖症だってこと!!!!」






そうして、今に至る。



千波君に、詳しくは聞いてない。いや、聞けなかった、って言うほうが正解かな……



聞きたかった……知りたかった……

でも……


怖くて聞けない。

知らない方が、幸せなんじゃないかって思えたから。

知ったら、芽衣と仲良くしていけるのかな?


多分、千波君は気付いてる。

私の気持ちの揺れに。



「何暗い顔してるの〜?ジェニア怒っちゃうよ〜!」

「……だって…………って、ジェニア!?」


私の隣で、私と同じように走っているジェニア。

というか、いつの間に来たのだろう。


「……な、んでジェニアが……?」

「ジェニアは魔法が使えちゃうのぉ〜ルンラランッとテレパシーを受け取ったんだよ!」


有り得ないけど、ジェニアなら使えちゃいそう………、じゃなくて!

ジェニアの後ろを振り向けばZ組の皆が走って来てる。


「……センバは無茶するからなぁ。心配で来たんや」

にこりと微笑むシャリア。


「……芽衣の………一大、事…だから……」

何時も通りポーカーフェイスのラルア。


「芽衣が壊れたら……大変なことになるから」

抱きついてこようとする潤雷(じゅらい)を殴りながら走る(じゅん)


それから―――その他大勢。

(説明長いから省略)



「み、んな……」

「とーにかくぅ!み〜んなみんなぁ芽衣が……Z組が大好きなんだよ!」

「だよね……ちっちゃい頃から一緒だったんだもんね」


ある程度走ったところで、前にいた千波君が足を止めた。

目の前には扉。

その上にかかるプレートは……


"第一資料室"。


「鍵は!?」


千波君が叫ぶ。

でも、鍵は確か――


「せ、千波君!鍵は速水先生が持ってくるから待ってろって!」


私がそう言うと、千波君はそうだったね……と、言いZ組の男子と何か話している。

でも、数秒後には千波君、潤雷、遼夜の3人が扉の前に立っていた。

そして―――


思いきり扉を蹴飛ばした。



ドッガンと大きな音を立て扉は倒れた。

その奥に見えるのは―――暗闇。


扉を壊した3人と、私とシャリアとラルアと潤が中に入る。

周りのみんなは入らず、いろいろとしている。


――扉の修理を始める人

――集まって来つつある学園棟の生徒達を散らせる人


そして

――何故か保健室を確認し、担架を用意している人



この後、私は少し後悔する―――

何も知らずに"資料室"に入ってしまったことを――








遅くなり申し訳ございませんでした!

本当は10月ごろに出すつもりだったのですが……

本当にすいません。


ご愛読して下さっている皆様、

また2〜3ヵ月消えるかもしれませんが宜しくお願い致します。

         零灑

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ