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片翅の蝶  作者: 零灑
10/11

捌羽目:お嬢様の闇―前―


今回は長いです。

短編並に長いです。

ビックリするほど長いです。

心してお読み下さい。


今日は、天気がいい。

体調もいい。

でも……テンションが上がりきらない。


今日は、遼夜様にあえると言うのに……

あの日を、思い出すのは何故なのでしょう?

 

                by 五十嵐 芽衣 




はぁ……

今日は天気がいいですのに、テンションが上がりませんわ……


何て、芽衣が考えていると瑠亜が話しかけてきた。


「芽衣?どうしたの?さっきから溜息ばっかりだよぉ??」


気付かなかったわ……そんなに溜息を吐いていたかしら?


「それは気付きませんでしたわ。兎に角、ご忠告有難う。」


にこりと笑って、返した芽衣。

そんな芽衣を微塵も疑わずに、瑠亜は去っていった。


……確か、溜息を一つ吐くたびに幸せが逃げる、という迷信がありましたわね。

私だって昔は、そんな迷信さえも信じた純粋な子でしたのに……

何時からかしら?人を疑うことを覚えたのは……


きっと……あの時から。

きっと……あの人の所為。

きっと……あの場所から、あの空間から。



駄目ですわね……まだ、囚われていますわ……


そんな時、教室のドアが乱暴に開かれた。


全く、誰ですの……?


「おいっ五十嵐芽衣はいるか?」


そこにいたのは、学園棟――因みに1-ZはZ棟と呼ばれている――の教師の一人、

速水はやみ立夏りっか


確か、彼は学園棟の体育教師でしたわね。

強面の風貌ですが、性格は良くて、茶目っ気もあるので

人気がある教師ですわね。唯一彼だけが、Z棟を差別することなく出入りしていますわ。

しかし、私に何の用かしら?


「速水先生?私に、何か御用で??」

「あぁ、そうそう。五十嵐、悪いが3階の資料倉庫を整理しておいてくれないか?」


3階の資料倉庫……ですって!?

誰が学園棟に行きますか。

そんな、敵の陣地に踏み込むような真似、したくありませんわ。


そんな思いが顔に出ていたのか、速水は喋りだした。


「お前しか頼めねぇーんだよ!学園棟にファンが女子と男子、両方いるのは

 お前しかいないんだからな。」

「そんな……まだ他にもいるじゃ御座いませんか?」


両性にファンがいるZ組の生徒は、シャリアを始め、ジェニアにナターシャ

舞姫。そして、極め付けは遼夜様っ!

それにまだまだいるじゃありませんか!


「おい……五十嵐。お前、他の奴らに資料整理が出来ると思うか?」

「思いませんわ。」


芽衣はキッパリと言った。


そうでしたわ……!

ジェニアは資料整理と言う物がまず分かりませんし、

シャリアは飽きるとすぐ辞める。

ナターシャは学園棟が大嫌いですし、

舞姫と遼夜様は絶対に行きませんわ……!


「だから、五十嵐………

   

           

        頼んだぞ!」


にかっと笑って、凄い速さで教室を後にした速水。

そして芽衣は、やれやれと言った様に立ち上がった。


「仕方ありませんわ。行きましょう。」


芽衣は、教室から出て行き学園棟3階資料倉庫を目指した。


まさか、今日あんなことになるなんて、思いもせずに――……



――――学園棟3階資料倉庫


まったく……何ていう多さですの!?

どれほど溜め込んでいますのよ……

呆れますわ。


「全く……学園棟の教師も落ちぶれましたわね……」


まだ外は明るい為、電灯を点けずに作業していた芽衣は、気付かなかった。

独り言を言っている時、学園棟の生徒が3人、来たことを。


「おい、この資料倉庫、鍵、開いてるぜ??」

「じゃあ、閉めた方がいいよな」

「中、人がいないか確かめた方が良くないか?」

「いいじゃん。こんな所、誰もいねぇーよ」

「それもそうだな、じゃ、閉めようか」


そして、資料倉庫の鍵はガチャリと閉められた――……



――――Z棟、教室


「むぅ……芽衣がいない!」


不満そうに言っているのは、瑠亜。

その隣に、やってきた男の子がいた。


「どーしたの?瑠亜チャン!」

「うわぁあぁぁぁ!ビックリしたぁ……驚かさないでよ!千波せんば君」


彼の名は、北原きたはら千波。17歳。

黒みがかった赤髪に漆黒の目を持つ美少年。

しかし、無類の女好き。

軽いキャラだが、勉強も運動も出来ると言う眉目秀麗。


「で、どーしたの?溜息吐いて、眉間に皺寄せて……

 可愛い顔が台無しだよ?」

「むぅー……芽衣がいなくなっちゃったのです」


千波の口説き言葉を華麗にスルーして、瑠亜は言った。


「あれ?芽衣ならさっき立夏と話してたけど?ほら、そこに立夏がいるから

 聞いてきてみれば?」

「あ、本当だ。じゃあ、速水先生と話してくるね!」


Z組の生徒は基本、先生を先生と呼ばない。

まぁ、それは置いておくとして瑠亜は、Z組の教室前を通っていた速水を

先生待ってください、と呼び止めた。


「どした?弥生」

「あの……芽衣は何処にいますか??」

「あぁ、芽衣だったら学園棟の資料倉庫の整理をさせてるぞ。

 何か、用事だったか?」


と、話しているときだった。

速水の携帯が、突然鳴り出した。



その携帯の音は、


これから、否、現在進行形で起こっている緊急事態を知らせる


サイレンにも、聞こえた。



復活しました!

零灑です。長期にわたって、更新せず

まことに申し訳御座いません。

これからは、2週間のペースで出来ると思います。

しかし、期待はしないで下さい。

本当にすみません。


           零灑

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