プロローグ
物語に一つの終止符が打たれるⅢです。
Ⅳからは過去編を予定してます。
――創造と破壊。
全ての世界は無から生まれ、有に死ぬ。生きる者はいつかは死に、そして死んだ者は新たな生を受けまた死ぬまでの人生を歩む。それは、世界も同じである。
何もなかった無。そこに二人の神が存在した。その神は創造と破壊を繰り返し、世界を作り上げそして、四人の神を生み出した。長い年月が流れ、いつしか神々の数は億を超えるまでとなった。数が多ければその分、意見を交わす中ですれ違いが起こる。すれ違いは互いに負の感情を抱かせ、負の感情は蓄積することで心を邪悪に染める。
邪悪は闇を生み、その闇を周囲へとばらまくのだ。闇は周囲の心をも闇へ染め、やがて一つの悲劇を生んだ。
神の死。
本来、神は産まれてから二十の年を過ぎると、儀式を経て不死身の肉体を得る。これには諸説あり、中には産まれた時には既に不死身だったという説もある。
神の死は多くの神々に動揺をもたらした。心の揺らぎは不安感を煽り、闇はその心に執着する。二十の年を超えぬまま死にゆく神々。神族の血を引く神々、天使、悪魔、その他の精霊や海、大地に関する自然界の生き物が、若くして死に絶えた。
これではマズイと思った高齢の神々は、悪事を働く神々を罰し、彼らを捕らえて一つの世界に閉じ込めた。
――魔の世界、俗に言う魔界。
悪魔や魔物が巣食う魔の巣窟。そこは完全な無法地帯で、何をやっても許される悪魔や魔物達には何不自由ない世界だった。だが、その世界にいるのは誰もが罪を犯してやってきた犯罪者ばかり。ただでは襲わせてくれない。しかし、それでも力あるものが弱き者を踏み越えのし上がっていくのは世の道理。当たり前であった。統治者のいない魔界でも、いつの日か一つの階級が出来上がりつつあった。魔界での最強は誰か? それを決めるために悪魔と魔物は幾度と争いを繰り返し、命を削りあった。
そして、ついに最強の二種が誕生してしまった。
――鬼神族と魔神族。
最強の妖術と武術を誇る鬼神族と、最強の魔術と剣術を誇る魔神族。
両者のその超越した怪物並の力は、周囲の景色を一変させる程の脅威を持っていた。その力の強さに他者の魔界の生物達は恐れ慄き、ひれ伏し従属した。
だがある時、天敵である両者の間に子が産まれた。魔界には性別と呼べる物が存在しない。時には性別を変えることもあるのだ。
――魔豪鬼神。
鬼神族と魔神族との間に生を成し、豪腕な武力を誇る――まさに最凶と恐れられる存在。しかし、その数は少なく、大昔にはその存在は七体しか観測されておらず、現在に至るまでその数を増やしている話は聞いたことがなかった。
しかし、ある時人為的にそれが生み出された。『オドゥルヴィア=オルカルト=ベラス』……それが、新たにこの世に産まれた脅威だった。
――惑星ウロボロス。
自然界三大神と大神によって丹精込めて作り上げられた世界。そこに、夢鏡王国第四代目国王が不思議な力によって大陸から切り取った陸の一部を集結させて浮かばせた空中都市『ヘルヘイム』があった。その都市の中で、人族は属性を持つ有属性者と、持たざる無属性者の二つに分けられた。有属性者は主に魔術を使用し、様々なことに用いた。また、無属性者は主にその才能を使い、科学の道へと進み、科学の道へ進んだ者の大抵が、科学技術で有名な科学秘密組織『クロノス』に入社した。
――十二属性戦士。
有属性者の中でも、特別な力を持った人間の事を総称してそう言う。十二という数字は属性の基を表しており、決して人数に関係している訳ではない。また、彼らは神の力を四分の一程受け継いでおり、それは“神王族の血”とも言われている。彼らは何年もの間、敵から国や都を守ってきた。
こうして彼らは六代に渡り、神々によって生み出された惑星『ウロボロス』を守ってきた。
ヘルヘイムに存在する小王国『夢鏡国』。
ある日、暗雲と共に封印が解け、白無龍『ドヴァース=エントライリード』が夢鏡王国第七代目姫君の双子の一人である『麗魅』の体に憑りついた。
予期せぬ事態に、双子の一人である『瑠璃』が、母親であり夢鏡王国第六代目女王である『フィーレ』の情報により、十二属性戦士を集める事になった。
見事基になる十二属性戦士全員が揃い、彼らは麗魅と戦った。
彼女が召喚した暗黒魔獣『ケルベロス』を倒し、操られていた『ハンセム博士』を正気に戻したのだが、白無龍は逃してしまった。しかも、霊をも退ける謎の軍団『スピリット』に十二属性戦士の一人『暗夜』を連れ去られ、ますます動揺する一同。
一年という長い年月を経て、何とかスピリット軍団から暗夜を救出し、スピリット軍団から得た情報で『五つの封印』について知った十二属性戦士は、情報を頼りに封印を二つ目まで解くことに成功した。
残りの封印は後三つ。だが、その裏にはとんでもない真実が隠されていた。ハンセム博士の父親の師であり、多くの発明品を開発してきたという『オドゥルヴィア博士』。ハンセム博士の話によれば、彼はとてつもない強大な科学技術力によって、神々が作り出そうとしていた兵器の『設計図』を書き換え、世界を破壊する兵器へと改造してしまったらしい。
その話を聴かされた十二属性戦士は、話し合った結果残りの三つの封印が解かれるまでの二年間の間、修行の森で修行を積むことになった……。
そんな彼らの裏では、今まさに封印されたオドゥルヴィア博士が復活を遂げようとしていた。
六代目十二属性戦士の戦いが再び、始まる……。
というわけで、六代目十二属性戦士の話もⅢになりました。Ⅰの時からもう三年が経ったわけです。ここまでで相当ストーリーが深くなっているので、分からなくなったりしたら読み返すか、作者にコメントすることをオススメします。なるべく、質問には答えるよう努力するつもりです!
また、挿絵の方は現在Ⅰから順に入れているので、その内載せられると思います。今回の話は大まかな今までの流れと世界が創造された時の話題をちょろっと書きました。