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復讐  作者: 樋口 涼
宮木一華

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一華は持ち前の運動神経の良さで進級していき、早苗や葵、久実とクラスが分かれると、新たな友人達と一緒に帰る様になった。

その代わり、亜希には保護者同然とした三人が周りを囲み、傍から見るとそれはまるで幼い王子と侍女の様だった。


二人に距離ができ始め、必然的に「お遊び」の時間の頻度も下がる。

しかし、一華の加害性はますます膨れ上がり、自分の生活における全てのストレスを亜希にぶつけるかの様に激しく成っていった。


「今日はこれ」


手には持ち手のしっかりとしたブラシが握られている。

いつも通り、誰も居ない夜。

一華の部屋のベッドの上、二人は裸で向き合い座っていた。


「大丈夫、ボールペンより大きいけど入るよ」

「痛くない?」

「多分。ちゃんと濡らせば…痛くないんじゃない?」


『もうああいうのは止めよう。』


昨日、水泳教室から帰った亜希に、そう言われた。

一年ちょっと続いた「お遊び」が、ダメな事だと分かり始めたのだろう。

一華自身もいつまでするのか、どうやったら終わるのか分からないまま続けていた。


「分かった。その代わり最後に…」


そして今日、最後にする。


一度も亜希のを舐めた事は無かった。

今日も舐める気はない。汚いから。


指に唾を付け、亜希の股の間を弄った。

何度も触って来たそこは、最初に唾で濡らすとぬるぬると指が入るくらいにまでなっていた。

少し膨らみ始めた胸の先端を口に含むと、いつもの様に亜希の体が反応する。


息が荒くなった頃、交代して一華の胸を亜希が吸う。


キスもしない。

興味はあるけどする時は、シーツ越しに。


一度、首を強く吸われ過ぎて赤い跡が残ってから、首から上は何もしない。

二人の間で自然と決まったルールだ。


『それ、キスマーク?』


学校で言われた時の驚きは恐怖に近かったな。


妹との「お遊び」がバレる訳にはいかないと、焦った事を思い出す。


両親は気が付いているのだろうか?

兄は?

…気が付いていても、言わないんだろうな。


胸に吸い付く亜希の旋毛を見ながら、ふっと笑みがこぼれた。


この子は…今、何を考えているんだろう。


サラサラな前髪が、白い肌の瞼が、あの黒い瞳を隠して見えない。

背も「お遊び」が始まった頃よりずっと伸びて、筋肉も付いていた。

学年が変わり、いじめっ子とのクラスも離れたのか、それともやり返し始めたのか。

痣を作って帰って来る事も無くなって、ひっかき傷もない腹と背を見る様にもなった。


喘息の発作も、もう何か月も起きていない。

あの頃の弱く小さな妹ではなくなっていた。

その妹の指が、自分の中に入って来る。


いつも通りゆっくりと動き、唾液とは違う液体が自分から出て、亜希の唾液と交じり合う。

一人でし始めた時、唾も付けてないのにぬるっとし始めたのはびっくりしたな。と、指の動きが速くなるのを感じながら、一華は考えた。


あぁ…今日で…終わり。


快感に身を委ね、目を閉じた。


「気持ちよくして」


その言葉を合図に、亜希はブラシの持ち手を舐めて唾液を纏わせると、一華の足の間に当てた。


「ふっ!…ん…」


一華の口から声が漏れ出る。


痛い。いつもより…押されてる…。


片目を開けると、無表情に手を動かしている亜希が見えた。

「お遊び」の間、家に居る間、いつもそんな顔をしていた。


亜希が笑ったのを見たのは…いつだっけ。


古い記憶の中には幼い亜希が笑っていた。

最近の記憶には…無かった。


そうか。最近、私の前で笑った顔なんて…してない。


「亜希…」

「…?」

「笑って」

「なんで?」

「いいから」

「無理だよ」


取っ手の前後する動きが速くなり、下腹に亜希の息がかかった。

顔を見せない様に、亜希は蹲る。


「じゃあ…舐めて」

「入れてるのに?」

「うん…入れながら、舐めて」


指示通りに動く亜希を見て、一華は満足した。

快感も優越感も最高潮に達した後、起き上がり今度は亜希の体をベッドに押し付けた。


「ほら」


息も整わない内に、亜希の足を広げる様に膝を叩く。


「今度は私がしてあげる」


そう言って、ブラシの持ち手を亜希へ手荒く入れた。


「痛い!!」

「痛くないよ。気持ちいいって」


亜希は両手でそれ以上入れられない様に抗う。


「手離して、抵抗するから痛いんやで」


一華は左手で亜希の右手の甲を抓った。


「痛っ!!」

「大丈夫!大丈夫!」


痛がる亜希の中を、無理やり激しく動かした。


「痛い!!痛いって!!お願い!止めて!!」

「気持ち良いって言え!」

「なん…なんで!痛いっ!」

「ほら!早く!」


一華はブラシの持ち手を、激しくこすりつける様に動かした。


「痛い!痛い!!」

「言うまでこれやで」

「い…良いから。気持ちいから…止めて!」

「良いんやったら良いやん!」


一華は笑いながら、手を前後に動かし続けた。

呻き泣く亜希が、息荒く崩れた頃、一華は手を止めた。


「小学校二年でこれって……やらしい。変態」


そう言って亜希からブラシを引き抜くと、ごみ箱に捨てた。

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