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刺激

作者: 雉白書屋

 ……っあ、ぅ、あ。


「……え? 今の、まさか」


 ……ぅ。


「おお、やっぱりだ! きみ、意識が芽生えたんだね!」


 ……ぅ。


「ああ、でもまだ会話はできないみたいだね。ううん、いいんだよ。大丈夫、ゆっくりで。僕は待つからさ」





 ……ま、ぅ、あ、う、う、あ。


「おっ。やあ、元気かい? 久々に話しかけてくれたね」


 ……ぬ、の、あ、う。


「うんうん、まだまだみたいだね。ゆっーくりでいいんだよ。大丈夫、前よりも喋れるようになってるからさ」





 ……あ、あ、の、あ、の。


「おっ。やあ、調子はどうだい?」


 ……ちょ、う、し。うし、し、し、し。


「ふふっ、いいね。うまく機能しているみたいだ」


 ……き、の、う?


「そうだよ。表面からくる刺激が僕らを活性化させて、こうして話ができるようになるんだ」


 ……も、と、もっ、と。


「ふふふっ、慌てなくても、大丈夫さ」





 ……こん、にち、は。


「やあ、もう、だいぶ、流暢じゃないか」


 ……あり、がと。うれしい、よ。


「ふふっ、そうだろうね」


 ……きみがいて、くれて。


「ああ、ふふふ、僕も嬉しい、よ」


 ……もうすぐ、もっと、もっと。


「ああ、そうだ、ね」





 ……やあ、どう、かな。前より、うまく喋れてるかな。


「ああ、とっても、聴こえやすい、よ」


 よかった。君がいてくれたおかげでだよ。でないと、暗い世界で一人きりだった。本当にありがとう。


「いいん、だよ。それにしても、色づいてきたねぇ。まえは、赤茶けていた、のに」


 ふふふ、それも彼らが来たからかな。君が分けてくれたんだよね? ああ、感じるよ。表面で活動する彼らのことを。ふふっ、たまに痛いけどね。


「そうだね。ぼくのところに、いたのは、もうほとんど、そっちに移住した、みたいだ。その彼らが歩き、喋り、暮らすその刺激で、僕らは活性化する。……でも、気を付けて、ね。彼らの、せい、で、ほら、僕は、すごく、毒々しい、だ、ろ、う……」

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