転生したら、真織先生のブラジャーになっていた話
「ふふふ、どうだ、やってみたくなったろう?あの先生のさ、ナマの下着の匂いを嗅いでみたくなっただろう?」 彼による誘惑は執拗なものであった。 んで、という説得、洗脳も受けたお陰もあって、僕はその、言われた通りの、そそのかされたまさにその凶行を実際に働いてしまおうとするという運びになったのであった。 という訳で僕は、プールの授業が続けられる中、他の生徒が水泳のタイムを順番に測られる為にその順番を待って並ぶ中、僕と彼、副島竜太は、密かにその列を抜け、プールのある敷地の脇に備えられた各種設備の設えられた別棟へと向かったのであった。 高くコンクリート・ブロックを積み上げたような壁に仕切られた一角であった。そのコンクリートの壁の内部に、男女の更衣室も設置されているのだった。 僕らは、狭苦しい入口からその内部へとそっと入り込み、ひと気を伺いながらさらなる奥地を目指したのだった。 奥地には目指すべき場所があるのだった。そこには、愛する真織先生の着替えが置いてある筈なのだという確信があった。 だから、そこを目指した。 最初は、僕と竜太とで結束して目的を達成するのだと筈だと思えた。 なのに気がついた時には、何故か、道程の途中から僕独りだけが先へと進ませられる格好となり、いつの間にか、僕だけが海水パンツ姿で歩いていたのだ。 「じゃあ、任せたぜ。しっかり、獲物だけは拝借してこいよ。なあに、堪能し終えた後にはちゃんと先生のロッカーに返しておくんだ。これは犯罪でもなんでもないなだからな。それだけは心配するなよ。よし、じゃあ、しっかりやってこい」 竜太が無責任極まりなくもぽんと強く肩を叩いてきて激励などするのだ。僕はといえば、肩を叩かれた勢いもあって、つんのめらようにして、更衣室の内部へと入ってるといったのだった。それなのに、であった。 肝心の竜太だけは女子更衣室の入り口の脇のコンクリート壁に隠れるようなポーズを取ったかと思うと、辺りを警戒するような素振りだけ示しながら、その場に留まるつもりのようなのであった。 ともかく、幸いにも、というか何と言おうか、女子更衣室の入り口には鍵も掛かってなかったし、中をちょっと目にしたところでは、女生徒達の脱いだと思われるセーラー服等の着替えもロッカーにも仕舞われずに無造作に台の上に載せられているというような状態にあるのだった。 ━━大丈夫な訳がないよ。なんだよこの状況。これではまるで僕はただの変態犯罪者じゃないか。竜太の奴、どういうつもりだよ。こんなとこ、万が一にでも誰かに見つかりでもしたら・・・。 急に僕は、怖気づいた。 だが、しかし、竜太も入り口の脇に隠れながら見張りもしてくれるのだというし、大丈夫なのだろうという思いもあった。大丈夫な筈、だと。 ところが。ところが、なのであった。なんと、なんと、なのである。