第93話 俺の家に
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グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
俺は、紬と一緒にゲーセンにいた。俺は急いで時計を見る。
時刻は7月17日午後2時58分。また、ループしてしまった。
純介「うぐ...」
傷はない。だが、俺は腹が痛くなってくる。先程、橋本に切られた場所が痛いのだ。
背中が、腹が痛いのだ。
紬「純介?大丈夫?」
純介「痛い...痛いんだ...腹が...痛いんだ...」
紬「大丈夫?病院行く?」
病院に行っても、何も変わらないことくらいわかってる。今は、ただ紬を安全な場所に移動させてあげなければならない。
純介「病院は...行かなくても大丈夫だ...」
紬「じゃあ...家帰る?」
純介「あぁ...そうしよう。着いてきてくれるか?」
紬「うん、大変そうだし心配だよ」
俺は紬に肩を借りて立ち上がる。そして、痛いと錯覚している腹を押さえながら家に帰る。
太った男「変な男がぁ!お前のせいでつむ様は汚されたんだぁ!」
”バンッ”
純介「───ッ!」
俺と紬は、同時に道路に突き落とされる。そしてそのまま───
”キキィィィ”
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「───ッ!」
俺は映画館にいた。腕時計を凝視して、時間を確認する。7月17日午後2時3分。
どんどん、時間が戻っていっている。少しずつ前に戻っていっている。これを繰り返せばいつか紬とデートする前にまで戻れるのではないだろうか。
ー午後2時25分ー
俺達2人は映画館を出る。ここでは、オタクは現れない。
純介「なぁ、紬」
紬「どうしたの?」
純介「俺の家に来ない?」
紬「ふぇ?家?」
純介「あぁ。家。駄目かな?」
紬「い...いいけど...」
紬は俺の服の裾を掴む。俺と紬は俺の家へと向かう。家は留守だった。
紬「うわぁ!大きい!ここが、純介君の家?」
純介「あぁ...そうだよ」
紬「広いね!おっきいね!」
純介「ありがと」
紬「それで、なんで純介は私を家に呼んだの?」
純介「え...それは、お前のオタクがお前を殺そうとしてるからだ」
紬「え...」
紬は俺の言葉にピクリと肩を震わせる。紬には、身に覚えがあるのだ。自分がオタクに殺されそうになったことに。紬は途端に泣き出しそうな目になる。




