第92話 轢死
純介「───ッ!」
橋本「もう、遅いんだよ!雑魚が!つむ様はもう、死んだんだよ!」
俺は、橋本の声を無視して走る。紬が乗った電車のホームまで。事故現場まで。
野次馬1「誰かが落ちたぞ!」
野次馬2「何々?自殺?マジ、面倒だわ...」
野次馬3「轢かれちゃったってマ?」
野次馬4「マ。グロすぎワロタ」
俺は、野次馬を退けて線路を覗き込む。そして───
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
紬「純介?どうしたの?」
俺は、紬と一緒にゲーセンにいた。俺は急いで時計を見る。
時刻は7月17日午後3時13分。これから、1時間後に紬は死ぬのだ。
純介「まただ...まただ...また、紬は...」
俺は青褪める。今、目の前で俺の事を心配そうに見つめる紬は、1時間後に死んでしまうのだ。絶対に阻止しなければならない。
純介「なんでよりによってここなんだ...16日に戻ってくれれば...」
レッスンをサボらなければ紬が殺されるなんて事態を招くことはなかった。これは俺の失態だ。全て俺の責任。
紬「純介?大丈夫?顔色悪いよ?」
純介「あ、あぁ...大丈夫だ。もうそろそろ...帰らないか?」
紬「え、あ、うん。わかった!いいよ!」
俺達は駅に向かう。もしかしたら、オタクがいるかもしれない。
純介「なぁ...紬?」
紬「どうしたの?」
純介「紬の家に行ってもいい?」
紬「ふぇ?家?」
純介「あぁ...紬の家に行きたい...」
紬「う、うん...別にいいけど」
紬は俺の服の裾を掴む。俺と紬は紬の家へと向かった。
紬「じゃじゃーん!ここがつむの家!」
紬の家は普通の一軒家だった。一学生の家なんてこんなものだろう。
紬「お母さん、たっだいまー!」
純介「お...おじゃましまーす...」
俺は家の中に入る。
紬「さぁ、入って入───」
紬は、その瞬間、青ざめる。何があったのか。俺が後ろを振り向こうとしたその時だ。
背中が、熱い。異常な程に熱い。
橋本「つむ様の家にあがりやがって!このヤリチン変態野郎め!」
純介「───ッ!」
俺の背中にはナイフが刺さっていた。なのに、ループをしない。死んでいない。
紬「きゃあああああああああああ!」
紬の悲鳴が玄関に響く。
橋本「つむ様!邪なる男を殺します!そして、その後は...つむ様!あなたの番です!」
俺の腹部にもナイフが刺さる。痛みにより抵抗できない。そして、そのままナイフは横に動かされ、俺の腹は開かれる。そのまま、自分の内臓を視認して───




