第91話 2度目の邂逅
紬「今日は、楽しかったね」
純介「あぁ...ありがとうな」
紬「うん、バイバイ!」
俺と紬は解散する。今日は、これで帰ろう。
純介「いやぁ...楽しかったなぁ」
俺は幸福感からか、感嘆の声を漏らす。俺は、駅のホームにある椅子に座った。
そして、電車が来ようとして俺は立ち上がる。すると───
橋本「おい、貴様...我らのつむ様に何をした?」
俺は、誰かに話しかけられる。その顔を見てすぐに気付いた。紬を道路に突き飛ばし殺そうとした奴の一人だ。その男は確か橋本と呼ばれていたはずだ。だが知らないフリをしよう。
純介「お前は誰だ...」
橋本「よくぞ聞いてくれた!この俺はつむ様をお守りする斉藤紬ファンクラブ会員番号27番の{はっしー}だ!ファンクラブとして、いやつむ様の騎士として!この俺は貴様を殺してやる!つむ様に迂闊に近付いたことを後悔しやがれ!」
純介「橋本さん...悲しくないですか?そんなことをして」
俺は電車を逃してしまう。10分経たないと電車は来ない。
橋本「お前は、つむ様に近づきやがって!何者だ!」
純介「仲間...かな?」
橋本「ぬおおお!貴様ごときが仲間だなんて有り得ない!ぶち殺してやる!」
これまで見たことがないほどに痩せ細っていて眼鏡をかけた橋本は、こちらを指差し地団駄を踏んでいる。何をそんなにキレているのだろうか。
純介「うるさいなぁ...静かにしてください。迷惑ですよ」
橋本「貴様がつむ様に近付く方が迷惑だ!鼻伸ばして近付いてつむ様は貴様のものじゃない!どっか行けヤリチンが!」
純介「紬はお前のものでもないだろ」
橋本「紬は俺らのものだ!わからないのか?このウスラトンカチが!」
橋本はこちらに向かってくる。痩せている上にチビなので、俺でも倒せそうだ。だが、もう少し煽ってみることにしよう。そちらの方が面白い。
橋本「貴様なんか、どうせつむ様とタピオカを飲んだだけの仲!俺たちは同じLIVEを吟味し、youtubeのchatをした仲なんだぞ!貴様がタピオカにかけたお金の何十倍もお金を払っている!貴様は黙ってろ!」
純介「じゃあ、お前は紬とハグをしたことはあるか?」
橋本「なっ!」
純介「お前は、紬が赤面するところを見たことがあるか?紬と一緒に映画を見たことがあるか?紬と映画館で手を繋いだことはあるか?紬の泣き顔を見たことはあるか?紬に頼られたことはあるか?俺はこれら全て、ある!」
橋本「貴様は!どれだけ虫酸が走るやつなんだ!我らの純粋清楚なつむ様を汚しやがって!許さないぞぉ!このタコがぁ!」
純介「残念、俺の名前は西森純介。純粋の{純}の字を使っている。汚してなどいない」
俺は橋本に名乗る。橋本は、殴りかかってくる。だが、そんなヒョロヒョロパンチ、俺でも止められる。
”ガシッ”
橋本「つむ様が我らのものにならないことくらい知ってる。なら、殺すまでだ」
”キキーーーーッッッ”
電車が急停車する音が、違うホームから聞こえる。そのホームは、紬が乗るはずの電車のあるホームだ。




