第89話 その愛を裏切りと呼ぶのなら
健吾「は?」
純介「何度でも言ってやる。その愛を裏切りと呼ぶのなら、お前は人間失格だよ」
健吾「純介に...何がわかるんだよ」
純介「俺には何もわからないよ。でも、これまで愛していたはずの相手のことを{大嫌い}だなんて言うやつは、人間失格だ」
健吾「何が悪いっていうんだよ。もう、好きじゃないんだよ!紅美のことは!」
純介「それは...本当か?本当に、好きじゃないのか?」
健吾「あぁ、本当だよ!本当に好きじゃないよ!あんなのと付き合ってたのが恥ずかしいくらいで、後悔して───」
”パシンッ”
俺は健吾にビンタする。怒りが、抑えられなかった。
健吾「純介!何すんだよ!」
純介「言っただろ!{紅美と付き合っていたことをお前が黒歴史と呼ぶのなら、きっと俺はお前を許さない}って!それなのに、お前は紅美のことを侮辱した!」
健吾「別に純介には関係ないことだろ!もういいよ!お前らのことがこんなにクズだとは思わなかった!やっていけないわ!もう俺、会社の契約切ったほうがマシだわ!」
健吾はそう言いながら、練習場所を出ていった。皆の冷酷な眼差しが俺の視線に入る。
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「なんだよ...俺が間違えてたって言うのかよ...」
時刻は、7月17日午前8時6分。俺は電車に乗って練習場所へと向かっていた。
純介「ここにループしたってことは、紅美と別れた後ってことだ...」
変えるのは、自分自身だ。だが、俺は間違えてない。悪いのは健吾だ。
愛していたはずの紅美と別れた途端、手のひらを返したかのように「嫌いだ」と言う。
純介「俺は悪くない...俺は間違ってない...俺が正しいんだ...それなのに、それなのに、それなのに!」
俺は電車の中で一人で憤慨する。周りの人から冷たい目線で見られる。
純介「そうだ、あいつらもだ。あいつらも、俺が間違えてたような目線を送ってきた!会話には参加しなかったって言うのに!何も発言しなかったのに!付和雷同していたのに!責任を俺に押し付けたんだ!あたかも俺が悪いかのように仕立て上げて!そんなの、仲間じゃないじゃねぇか!見掛け倒しじゃねぇか!信用ならねぇ奴らだな!」
俺は、イライラしたのでレッスンをサボることにした。目線が集中してきたので、次の駅で降りた。そして、ホームを出て街を散策する。すると───
紬「あ、純介だ!どうしてここに?」
純介「紬か...」
俺の心に平静が訪れる。何故だろうか。何故かはわからない。
紬「純介、なんでここにいるの?」
純介「なぁ、紬」
紬「なぁに?」
純介「今日レッスンサボって、一緒に遊びに行かない?」
紬「え?でも...それって...」
純介「大丈夫、智恵達だって怒らないって」
紬「そう...かな?でも、デートみたいに...ならない?」
純介「あはは。そうだな。紬は嫌か?」
紬「嫌.........じゃない...」
紬は少し俯きながら顔を真っ赤にして答える。俺と紬はレッスンをサボって、デートに行くことになった。
作者が大好き、純介と紬のカップリング。
書いててニヤニヤが止まりません。




