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NJruler  作者: 花浅葱
4章 その愛を裏切りと呼ぶのなら
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第87話 愛をほざく

 健吾は、紅美の家に辿り着く。そして、家のチャイムを押した。


 紅美「どなたですか?」

 健吾「俺だ、健吾だ」

 紅美「健吾?どうしてここに?」

 健吾「もう一度、話をしようよ。お互いの為に」

 紅美はインターホンごしに少し咳をする。

 紅美「開いてるから、入って」

 健吾は、紅美の家の中に入る。


 紅美「私の部屋に行きましょう」

 健吾「あぁ、わかった」


 健吾は紅美の部屋に行く。

 紅美「もう一度、話し合っても結果は変わらないわよ」

 健吾「なんで別れるか、聞いてもいいか?」

 紅美「健吾の事が...嫌いになったからよ」

 健吾「具体的にだ」

 紅美「具体的に?」

 健吾「あぁ」

 紅美「全部嫌いよ。全部」

 健吾「全く抽象度が変化してないじゃないか。具体例を聞いてるのに」

 紅美「全部嫌いなの!」

 健吾「それなら、俺を家に入れないはずだ。もう一度、やり直さないか?」

 紅美「嫌よ!嫌よ嫌よ嫌よ!もう、嫌なの!別れましょうよ!健吾!私達、もう終わりなの!」

 健吾「何が足りなかった?答えてくれ。なんでも変えてやる。なんでもしてやる」

 紅美「そんなこと言ったって無駄。もう無理よ。変えられないの。どう足掻いても無駄!」

 健吾「俺が悪かったところを説明してくれよ!何が、何が駄目だったんだよ!少なくとも、そこを教えてもらうまでは帰らない!」

 紅美「もう、やめてよ!どうしたって、足りないのよ...」

 健吾「俺には、足りなかったのか?やっぱり、愛が足りなかったのか?」

 紅美も、健吾も陰鬱な顔をしている。


 健吾「俺...お前への愛の表現が間違ってたかもしれないな...情愛を語り、偏愛をほざき、狂愛を嘆く。親愛を話し、性愛を叫び、慈愛を謳う。敬愛を喋り、仁愛を述べて、愛情を論じる。それなら、いいか?それなら...もう一度付き合ってくれるか?」


 紅美「無理よ!無理なの!どうしたって無駄なの!やめて、もう帰ってよ!全部...全部嫌いなのよ!そうやって、愛が重いところだって嫌いなのよ!」

 健吾「───ッ!」

 健吾が言葉にならない悲鳴をあげる。

 健吾「そっか...ごめんな...俺、愛が重くて...」

 紅美「私達、終わりよ。もう終わり。もう、帰って!」

 健吾「でも、別れたくないんだ!」

 紅美「無理よ!別れるの!そうやって、しつこいところも嫌いよ!」

 健吾も紅美も泣きそうな目をしている。そのまま口論を続ける。

 その後、健吾は紅美に強制的に家を追い出された。


 ***


 紅美「ごめんなさいね...健吾。私には...こうするしかなかったの...」

 健吾が出ていった後、紅美は悲しげにそう呟いた。


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