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NJruler  作者: 花浅葱
4章 その愛を裏切りと呼ぶのなら
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第86話 安倍健吾

 

 ***


 安倍健吾───俺には、とても仲の良い姉がいた。姉の名前は、安倍歌穂だ。

 姉とは、7歳も年齢が離れていた。そんな、仲のいい姉は白血病であった。

 健吾「お姉ちゃん!また、入院するの?」

 歌穂「うん、今度は大事な手術だからさ」

 健吾「そう...なんだ...」

 姉は、結局俺が5歳の頃に死んでしまった。享年12という短い人生だった。

 でも、死因は病気じゃない。トラックに轢かれて死んだのだ。


 歌穂「あ...」


 俺の姉はそう言うと、何かに呼ばれたかのように、道路へと突っ込んでいく。


 そして、そのまま道路を走っていたトラックに轢かれて死んでしまった。

 その事故で、死亡したのは俺の姉。それと、一人の少年がいた。

 そんな姉には、夢があった。それは「歌手になる」ことだ。志半ばで死んでしまった姉の夢を叶えるために、俺は歌手を目指した。俺には、持ち前の『歌唱力』があった。

 それを使って、俺は中学2年生からyoutubeで歌ってみたを投稿し始めた。


 俺は、高校1年生の時に、一人の女性と出会った。俺はその人に一目惚れした。


 その人の名前は、梅染紅美。しっかりとした顔立ちで、白くキレイな四肢をしていたその少女に、俺は恋をしてしまった。

 紅美「あの...けんにぃ...ですか?」

 健吾「あ、はい。そうですけど...」

 紅美「大ファンです!いつも、歌みたとか聞いてて...ヴェ◯ムとかすごい好きで...あの...」

 健吾「そっか、ありがと」

 俺と、紅美との馴れ初めはこんな感じだった。お互い第一印象は良かった。その日、連絡先も交換した。

 健吾「ねぇ、一緒に遊びに行かない?」

 紅美「え、あ、うん。いいよ!」


 俺は紅美をデートに誘った。行く場所は、水族館だ。

 紅美「なんで、私を水族館に誘ってくれたの?」

 健吾「それは...紅美のことが好きだから...かな...」

 紅美「え?」

 健吾「魚は水の中じゃないと生きていない。そんな関係に、俺らもならないか?」

 紅美は静かに頷く。俺は、紅美を抱きしめた。その日から、俺と紅美は付き合い始めた。


 ***


 紅美「ねぇ、健吾?」

 俺は、昨日紅美を家に呼んで遊んでいたら、真剣な眼差しで話を始めた。

 健吾「何?どうした?」

 紅美「ねぇ...私達さ...別れない?」


 一瞬、何を言われたかわからなかった。これまで、ずっと仲良くしていたのに急に「別れよう」なんて言われる。わからなかった。でも、理解した途端雷のような悲しみが、津波のように押し寄せてきた。

 健吾「な...なんで?」

 紅美「私ね、健吾の事が嫌いになったの。もう嫌い!」

 健吾「そ...んな...嘘だろ...」

 紅美「だから、ごめんね。私、帰るね。

 紅美は俺の家を出て行ってしまった。俺は、振られたのだ。


 ***


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