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NJruler  作者: 花浅葱
4章 その愛を裏切りと呼ぶのなら
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第82話 他の人

 健吾は泣きながら俺に縋る。

 健吾「俺は...もう駄目なんだ!俺みたいな人間は...もう、死んじまったほうが...」


 ”パァン”


 俺は健吾にビンタする。

 健吾「ぇ...」

 純介「お前...知らないだろ...」

 俺の心に湧いてくるのは怒りだ。

 純介「人が死んで...周りがどれだけ悲しむか知らないだろ...」

 健吾「俺は...」


 純介「俺はお前が死んだら迷惑なんだよ!お前のことが大切なんだよ!死んでほしくないんだよ!わかるか?わからないよな?」

 健吾「俺の...」


 純介「お前は人が死ぬ場所を見たことがあるか?人が死ぬ瞬間を見たことがあるか?親しくしていた人が死んだことがあるか?仲良かった友達を失ったことはあるか?自分にとびきりの笑顔を見せてくれた人が殺されたことはあるか?悩みを語り、過去を教えてくれて涙を流した人が殺される瞬間を見たことがあるか?俺は全部見てきた!この目で、この顔で、この体で!お前はどうだ?」

 健吾「それは...」


 純介「お前は...人を殺したことがあるか?」


 健吾の顔が一気に青ざめる。


 純介「俺の痣のことを見た人間を殺したことがあるか?仲間のために立ち向かってきた人を殺したことはあるか?上手くできずに努力していた人を殺したことはあるか?みんなの為に一生懸命になってくれている人を殺したことはあるか?」

 健吾「純介...人を...殺したのか?」


 純介「殺人衝動ってのは...止まらないんだよ...一度動き出すと...止まらないんだ...何度も何度も人を殺したくなるんだよ...俺は、人を殺した」

 健吾「───ッ!」

 稜「じゅ、純介?」

 梨央「え、嘘でしょ?」

 純介「あぁ、嘘だよ。人なんか、殺したことはない」


 半分真実だ。この世界で、俺に殺された人はいない。殺す前にループしたからだ。

 純介「話せ。健吾。お前は何をした?」


 健吾「俺は...彼女と別れた...」


 純介「なら、別の人を見つければいい。それだけの話だろ」

 健吾「俺には...紅美しかいないんだよ!俺の全ては紅美だった!紅美がいないと意味が無いんだよ!俺の人生は、全部紅美の為にできてたんだよ!」

 俺は、智恵よりも狂愛を持つ人間を見つけてしまった。この愛は、重すぎる。

 健吾「俺はあれほど愛していたのに...どうして...どうしてなんだよ!」

 健吾は泣きながら俺の首を絞める。何か、答えを求めるかのように。

 純介「俺の首を絞めたって、答えは見つからない。落ち着けよ」

 健吾「俺には紅美しかいないんだよ!別の人でいい訳が...無いんだよぉ!」


 健吾がそう言うと、泣きながら練習場所を走って出ていった。


 ***


 グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。


 時刻は8時17分。健吾が練習場所を走って出ていくまでの時間だ。健吾が走って出ていったのは、健吾がグループをやめるのと同義だったらしい。


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