第78話 家行けば孤独(ホーム・アローン)
数時間ほど語り合った後、俺たちはマックを出る。
栄「あぁ、楽しかった!家に帰ったら一人かぁ...」
健吾「え、一人って...親は?」
栄「仕事で帰ってこないよ」
純介「何の仕事なんだ?」
稜「栄の親は研究者をやっているんだ!」
健吾「なんで稜が嬉しそうに語るんだよ!」
稜「だって、すごくね?研究者だぜ?」
純介「なんの研究をしているんだ?」
栄「それは、俺も知らないんだ。特に有名でもないし。でも大変そうで、ここ3ヶ月くらいは家に帰ってきてないよ」
純介「そう...なのか。大変だったな」
栄「まぁ、お金は充分な程に口座に振り込んで貰ってるから!」
栄は、家でも一人で悩んでいたのか。相談する相手もいればグループをやめるなんてことはなかったのかもしれない。そんなことも知らずに、俺は。
***
池本栄───俺は、小学校の頃はクラスの中心的存在で誰にでも優しい非の打ち所がない性格をしていた。だが、そんな性格が裏目に出た。
中学1年生の頃からいじめを受けるようになっていた。でも、それは軽いものだった。教科書にマッキーで落書きされたり、持ち物がなくなったり、という感じ。
だが、中学2年生になりそんないじめに耐えきれなくなり保健室登校を始めた。
そんな中、俺の人生を変えてくれた稜と中学3年生の春に出会った。
稜は体が弱く、今まで入退院を繰り返していたらしい。俺たちは保健室登校で友達も周りにいないので、だんだん仲良くなった。そんなある日のことだった。
栄「なぁ、稜?」
稜「何?」
栄「稜の夢は何だ?」
稜「俺の夢?」
栄「あぁ、稜の夢。あるか?」
稜「あるけど...きっと、栄は嗤うよ」
栄「嗤わないよ」
稜「絶対笑う!家族だって、嗤ったんだよ?どうせ、こんな体じゃ叶えられないよ...」
栄「他人の夢を笑うような奴に、自分の夢は叶えられない!そうだろ?だから、俺はお前の夢を嗤わないし、誰にもお前の夢を嗤わせない!」
稜「俺の夢はアイドルになること。ステージに立って、スポットライトを浴びて!カッコよくない?」
栄「あっはははははは!」
俺は思わず笑ってしまう。だけど、それが「馬鹿げたもの」だと思い嗤ったわけじゃない。
「稜と同じアイドルになって同じ景色を見たらどれだけ楽しいものか」と思い思わず笑いが溢れてしまったのだ。こんな楽しそうな夢はなかったのだ。俺もそれを叶えたいと思った。
稜「あ、栄!笑わないって!」
栄「稜!叶えようぜ!その夢!俺と一緒に!」
こうして、俺と稜はアイドルになることを決めた。全ての始まりはここからだった。
そして、俺たちは高校生を機にアイドルになることに決定した。なんで、高校生を機にしたのかと言うと、稜の体調を考えてのことだった。高校は通信制の学校にすることにした。
そして、俺と稜は今の会社とは違う「芸能龍我プロダクション」に入社することになった。
栄は作者の最推し。
てことで、過去回想も長いです!次回までには終わらせる!つもり...
そろそろ4章に行かないと行けないのは知ってる!ここまで、話数的に伸びると思っていなかった!




