第72話 何度もした会話
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グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
ー7月6日17時37分、練習場所ー
やはり、ループした。同じ時間に、同じ時間へ。俺は曲を作る。それは、義務だ。
ー1時間後ー
栄「なぁ、純介?」
俺はまた栄に呼ばれる。もちろん、前髪を見にくるのだ。
栄「お前その前髪邪魔じゃねぇのか?」
栄は俺の前髪を上げる。
栄「なっ...痣?」
栄は周りの皆に聞こえるような声で驚く。
純介「だから前髪長くしてんだよ、納得した?これだから陽キャは…」
栄「ごめん...」
梨央「き、今日のレッスンはとりあえずここまでにしておく?」
栄「あ、うん、そうだね!」
俺は帰ろうとする。すると───
稜「おい、純介。ちょっといいか?」
純介「うん」
稜「今日、どうしたんだよ。栄に嫌なことされたのはわかるけど、あんなこという必要はないだろ?」
純介「あんな陽キャなんてどうせ俺の目の上にアザがあることまたネットで言いふらすんだろうなぁ、って。それに、前もあったじゃねぇか、栄がネットで人気タレントの秘密暴露した事件」
稜「今は前の事件のこと関係ないだろ。しかもあの事件は相手も悪い。それに、今の栄はそんなこと言うとは思えない」
純介「そんなんわからないだろ」
稜「いや、栄は言いふらさないって!俺のお墨付き!」
純介「それはお前の意見だろ!!あぁ、そうか、お前みたいな顔がいいやつにはわからないかもな!!」
稜「は!?今は俺の顔の話なんて関係ないだろ。なんだよお前、さっきから俺の話にいちいち突っかかってきて!!栄のことも悪く言って!!あの事件のことを詳しく知らないやつに栄が悪いなんて言われたくない!」
純介「あの事件は傍から栄が一番悪いぞ!?つまり世間からは栄が悪いって見られてる!俺は一般論を言っただけだ!」
稜「おい、お前はあの事件で栄がどれだけ傷ついたか知らねぇだろ。あぁ、お前みたいな王道天才ルート進んでるやつには栄の気持ちはわかんねぇか!!!」
純介「なんだよ天才ルートって!!俺が努力しないでここまで来たって言いてぇのか!?」
稜「そうだよ!!」
栄「もういいよ、稜!」
やはり、栄は現れる。
稜「ッ、栄?」
栄「ごめん、途中から聞いてた。それに、あの事件も俺も悪かったかもしんねぇ」
稜「は!?お前は悪くないだろ!!」
栄「だからもういいって。俺もあの話はもうあんまりしたくないんだよ…それと、純介、ごめんな。他人に触れられたくないものってあるよな...」
何度もした会話を、俺は噛みしめる。「これが最後だ」と、そう言い聞かせた。




