第70話 原因解明 その③
智恵「ちょ、栄の所為じゃないって!大丈夫だから、大丈夫だから!」
栄「俺、このグループ、楽しそうだからって理由で入ったんだよ!稜が入るって言ったから...俺も入ろうかなって...思って!ごめん...ごめんよぉ!」
紬「栄、泣かないでよ!」
栄「俺は...俺は...みんなに迷惑にならないためにもよ...」
美緒「さ...栄?」
栄「このグループを...やめようと思う!」
俺は栄のその声を聞いた。後悔が俺を襲う。そして───
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
ー7月6日17時37分、練習場所ー
純介「ごめんな...栄...」
栄「ん?どうかしたのか?」
純介「いや、なんでもない...」
俺は栄を疑っていた。きっと、栄があの記事を書いたのだと決めつけていた。でも、違った。栄は、責任感の強い人間だった。自分を犠牲にしてまで誰かを幸せにしようとするようなタイプの人間だった。「駄目だ」と言われれば、そんなことをしない少年だった。
許してくれ、許してくれ、栄。お前を疑ってしまったこの俺を、許してくれ。
ー1時間後ー
栄「なぁ、純介?」
俺はまた栄に呼ばれる。もちろん、前髪を見にくるのだ。
栄「お前その前髪邪魔じゃねぇのか?」
栄は俺の前髪を上げる。
栄「なっ...痣?」
栄は周りの皆に聞こえるような声で驚く。
純介「だから前髪長くしてんだよ、納得した?これだから陽キャは…」
栄「ごめん...」
梨央「き、今日のレッスンはとりあえずここまでにしておく?」
栄「あ、うん、そうだね!」
俺は帰ろうとする。すると───
稜「おい、純介。ちょっといいか?」
純介「うん」
稜「今日、どうしたんだよ。栄に嫌なことされたのはわかるけど、あんなこという必要はないだろ?」
純介「あんな陽キャなんてどうせ俺の目の上にアザがあることまたネットで言いふらすんだろうなぁ、って。それに、前もあったじゃねぇか、栄がネットで人気タレントの秘密暴露した事件」
稜「今は前の事件のこと関係ないだろ。しかもあの事件は相手も悪い。それに、今の栄はそんなこと言うとは思えない」
純介「そんなんわからないだろ」
稜「いや、栄は言いふらさないって!俺のお墨付き!」
純介「それはお前の意見だろ!!あぁ、そうか、お前みたいな顔がいいやつにはわからないかもな!!」
稜「は!?今は俺の顔の話なんて関係ないだろ。なんだよお前、さっきから俺の話にいちいち突っかかってきて!!栄のことも悪く言って!!あの事件のことを詳しく知らないやつに栄が悪いなんて言われたくない!」




