第56話 18時37分
智恵「あぁ、そう。まぁいいわよ。じゃあ、今日は45分に終わりね」
美緒「了解です!」
ー7月6日18時37分、練習場所ー
栄「なぁ、純介?」
俺は栄に呼ばれる。前髪の痣を見られるのだ。だけど、それももう怒らない。
栄「お前その前髪邪魔じゃねぇのか?」
栄は俺の前髪を上げる。
栄「なっ...痣?」
栄は周りの皆に聞こえるような声で驚く。
純介「あぁ、痣があるんだ。言ってなかったな。まぁ、隠してたんだけどな」
俺は平穏を保つ。もう、殺人鬼には戻りたくない。
栄「そうか、大変そうだな。いつからその痣はあるんだ?」
純介「生まれた頃からだよ。アルバムに痣ありで写ってるんだ」
栄「そうなのか...結構大きな痣だな」
純介「あぁ、そうだな...」
智恵「はい!そこ、もうすぐ終わりだからってお喋りしない!」
栄「あ、ごめんごめん!」
そして、午後6時45分になる。
智恵「はぁい、じゃあ今日のレッスンはこれで終了!解散!」
俺たちは散り散りになって帰る。時間はズラしたからこれで安全だろう。
”ガタンゴトンガタンゴトン”
俺は家に到着する。
秘書「君の帰りを、待っていたよ。西森純介君」
純介「───ッ!」
忘れていた。家には秘書がいることを忘れていた。なんで、なんで忘れたのだろう。健吾のことを考えてばかりだった。このまま逃げても彰が殺される。彰が殺されたらまたループしてしまう。どうにかして許しを乞わなければ。
秘書「話がしたいんだよ。君についてね」
秘書の隣では妹の彰が座ってお茶を飲んでいる。
純介「帰っては...くれなさそうだな」
秘書「あぁ、帰るのは無理だ。早急に話をしなければならない」
純介「そうか。話というのは何だ?」
秘書「君のループを止めに来たんだ。そっちの方が君は幸せだろう?」
純介「彰、部屋に戻っててくれ。2人で大事な話をさせてくれ」
彰「うん、わかった。部屋で待ってる」
彰は部屋に戻っていった。これで、殺されるのは俺だけになる。
純介「で、ループを止めるのは...どうやって...」
秘書「実演してあげよう。こうするんだよ!」
秘書の手が机の下から出てくる。その手にはナイフが握ってあった。
純介「やっぱり、殺そうとしてくるのかよ!」
俺はギリギリでナイフを避ける。
秘書「避けた?」
純介「あぁ、たまたま避けられた。たまたまな」
秘書「もう、お前に次はない!死ね!」




