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NJruler  作者: 花浅葱
3章 己の話、汝の話
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第47話 誰も認めてくれない

 純介「逃げるな...逃げるな...逃げ───」

 そこで、俺の意識は途切れる。


 ***


 純介「───」

 警察官「目は覚めましたか?」

 白い天井にある蛍光灯が仄かに光っている。

 純介「ここは...どこですか?」

 警察官「ここは、純介君の家の近くの警察署です。純介君のお父さんが来るまでは、警察署で保護させていただきます」

 純介「あ、はい...そうですか...」

 俺は冷静になっていた。殺人衝動も、前髪を見られた憤怒も、妹が殺害された憤慨も、今では何故か収まってしまっている。

 警察官「お話、聞かせて貰っていいですか?」

 俺は所謂「事情聴取」というものを行った。こんな経験、初めてだ。まぁ、事情聴取を行ったことがある人のほうが、少ないと思うのだが。

 圭佑「純介、純介!大丈夫か!」

 西森圭佑───俺の父さんが走ってやってくる。俺と父さんは目があった。すると───


 圭佑「純介...彰は...彰はぁぁ!」

 純介「ごめん...父さん...護れなかった...」

 父さんは、泣いていた。父さんの目からは大粒の涙が溢れ出ている。

 圭佑「違う!2人のことを考えずにゴルフに行っていた俺が悪いんだ!すまない、本当にすまない!」

 父さんは泣きながら俺の膝に縋る。俺達が殺されるなんて予想はつかないはずだ。

 純介「やめてくれ...父さん、謝らないでくれよ!」

 そして、唐突に現れる恐怖。そう、それはBluerulerの仲間を失うこと。Bluerulerは、この6日だけでも、多くの命が危険に晒されていた。俺がいなければ、紬は死んでいた。

 ループが無ければ、紬は死んでいた。

 純介「ループが無くなったんじゃ...死ん───」


 俺の体を恐怖が支配する。みんなを、助けなければ。

 純介「父さん、ごめん!俺、練習場所に行かないと!」

 警察官「ちょっと、純介君?」

 俺は、警察官を無視して、建物を飛び出す。


 ”プルルルルルルプルルルルルル”


 俺は智恵に電話をかける。


 ”ガチャ”


 智恵「もしもし、純───」

 純介「もしもし、智恵!練習場所に来てくれ!今すぐにだ!」

 智恵「はぁ?どういうこと?勝手に練習抜け出して何が言いたいの?行かないからね?」

 純介「皆の命が危ないんだ!来てくれ!もう、ループはしないんだよ!」

 智恵「命の危険?ループ?何それ?寝ぼけてんじゃないの?」

 純介「寝ぼけてなんかない!来てくれ!」

 智恵「嫌よ!」


 電話は切られてしまった。智恵は、俺のことを認めてくれなかった。きっと、「ループをしている」と言っても信じてくれないだろう。本当は妹を置いてこんなことをしたくない。


 ───でも、一度仲良くしてしまった相手なら、涙を見てしまった相手なら救いたいと思ってしまうじゃないか。


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