第46話 ループノヲワリ
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『殺し』はやめられない。そんな言葉が存在する。真偽はもちろん明らかで「真」である。
一度、「殺す」という選択肢を手に入れてしまうと、それを自身の解決方法に、娯楽に、快楽にしてしまい、何度も何度も犯してしまう。
それをよくないことと解っていても、世間から認められないことと解っていても、何度も、何度も。そんな『殺し』の負のループを続けてしまう。そんな、ループから抜け出す方法はたった一つしか無い。それは、自分の心を変えてしまうほどに大きく動かす人物が殺されること。そして、それは今起こり───
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純介「彰!彰!彰!嘘だろ!おい!嘘だろ!」
彰の切られた喉と、口の中からは、まだ血が流れ出ていた。
純介「彰!おい、しっかりしろよ!冗談はやめろよ!」
だが、返事は返ってこない。シスコンと呼ばれても構わない。家族をもうこれ以上失いたくない。手放したくない。失ってしまったら、母さんに合わせる顔がない。
秘書「もしもし。今、人を殺しました。はい。はい。嘘ではありません。住所は───」
認めたくない。認められない。彰が死んだなんて、認めていい訳がない。
純介「死んでる!なんで...なんでだよ!なんで...死んじゃうんだよぉ!」
俺は期待していた。ループが起こっていないので、まだ死んでいないんじゃないのか。
だが、そんな希望も見事に打ち砕かれた。脈は無かったのだ。もう。
純介「死んでる!死んでる...なのに、なんで!なんで!ループはしないんだ!早く!ループをしてくれ!彰が死ぬ1時間前に!それなら、まだ対策は出来る!」
秘書「残念だね、もうループはしないみたいだ。彰ちゃんには本当に申し訳無いと思っている...でも、純介くんを救えた。救世主だ!」
純介「俺の大切な妹を奪っておいて、何が救世主だよ!」
俺は秘書を殴ろうとする。だが、それは軽々と避けられ、その場に押さえつけられる。
秘書「おいおい、暴力はやめてくれよ!殺したくて彰ちゃんを殺した訳じゃないんだ!君を救うために仕方無く殺したんだよ!」
純介「巫山戯るな!救えてなんかないだろう!俺は...お前にどれだけ困らせられたと思っている!」
秘書「でも、推論は惜しかった!純介くんを殺してしまえばループは止まるって!殺すのは、誰でも良かったんだ!純介くんの関係者なら!そしたら、3日にすれ違った、栄君と稜君でもよかったのかな?」
純介「───ッ!」
そんなの、駄目に決まってる。俺はループにずっと頼ってきた。ループがあるから、やり直しが出来ると甘えて、「殺人」を起こしていた。でも、それはもう終わってしまった。
ループは終わりを迎えてしまった。俺の殺人欲求と共に、ループは終焉を迎えてしまった。
純介「嘘...だ...」
秘書「これが、現実さ」
”ガチャ”
警察1「警察だ!犯人よ、投降する気があるなら、とっとと───」
警察2「人質がいます!高校生位の人質が一人!奥では...中学生位の女性が血を流して倒れています!」
急に、家に警察がやってきた。
純介「なんで、警察が...」
秘書「さっき、電話で呼んだんだよ。彰ちゃんを殺した後、すぐにね」
秘書は俺の上から移動し、警察の方へ両手を上げて移動していった。秘書に逃げられた。




