第44話 次殺すのは───
栄が死んで、ループをしたのだ。人間というものはあまりに脆く簡単に死んでしまう。
さて、次は誰を殺そうか。やっぱり、踊れていなかった梨央だろうか。
純介「なぁ、梨央!一緒に来てくれないか?」
梨央「え、いいけど...なんで?」
純介「大事な話がある」
梨央「あ、わかった...」
智恵「早く戻ってきてよね!」
俺と梨央は他の皆がいる部屋を出ていった。
梨央「それで、大切な話って───」
俺は無言で梨央の首を絞める。口実なんて、いらない。強いて言えば「俺が殺したかった」で十分だろう。
梨央「純...介...君...なん...」
梨央の細い首を俺の手で強く圧迫させる。梨央の目からは涙が溢れる。
純介「なんで、踊れないんだよ。あんな簡単なダンスを...」
梨央「ごめ...ん...でも...美緒...が...」
純介「お前のせいで!紬は死ぬかもしれなかったんだぞ!」
梨央「───ッ!」
梨央が返事をしなくなった。死んだのだ。
純介「もっと、踊れればよかったのにな。お前は...手も足も割と長い方だから...」
俺は梨央の死体を持って練習場所に戻る。
稜「なぁ...梨央?」
純介「俺が殺した!」
栄「なぁ...なんで...だよ!」
稜「おい...許さんぞ!梨央をぉぉぉ!」
稜は俺を1発殴る。
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「ふぅ...」
梨央も殺した。1発、稜に殴られてしまったが、寛容な俺は文句を言わない。
支配する部下のミスは俺がどうかしなくてはならない。さて、次は誰を殺そうか。
純介「なぁ、紬!来てくれないか?」
紬「え、いいけど?なんで?」
純介「大事な話がある」
紬「了解!」
俺は紬と一緒に他の皆がいる部屋を出ていった。
紬「それで、大事な話って何?」
俺が紬の首に手をかけた瞬間だった。俺の心に迷いが生じる。
紬「きゃっ!私の首になにか付いてる?」
純介「あ、いや...」
紬を助けるために、ここまで何度もループしてきたのだ。そんな努力を否定するかのように、紬を殺してしまっていいのか。
紬「どうしたの?大丈夫?」
俺には、紬のこの細い細い首を絞めることはできない。
純介「俺はもう帰る。ごめんな、紬...みんなに伝えておいてくれ」
俺は紬の返事を聞く前にその場から去った。もう、辛いのだ。俺は家に帰る。すると───
秘書「君の帰りを、待っていたよ。西森純介君」




