第32話 今後の話
智恵「そう、だね...」
智恵の説得は成功する。俺は電車の中で作っておいた美緒へ「ダンスレッスンのすゝめ」と名付けたコピペを送る。智恵を最初に説得した時に送った言葉と同じだ。
純介「次は、ハンバーガーショップまで全力疾走って訳か!」
俺はハンバーガーショップまで走る。最短で5分だ。このルートだと秘書とすれ違わない。
純介「着いたぜ!話をしようじゃないか!栄、稜!」
俺は少しカッコつけながらハンバーガーショップに入店する。
稜「お、純介じゃない?」
栄「あ、本当だ!おーい!純介!」
俺は稜と栄の席に移動する。時刻は9時28分だ。
稜「純介もこの店に来るのか...偶然かな?」
栄「この辺りにハンバーガーショップってここしかないだろ?」
稜「あぁ...そうだな...」
純介「2人は、何の話をしてたんだ?」
稜「何って...今後の話?」
栄「まぁ...ざっくり言えばそうだよなぁ...」
純介「な、なぁ!今後の話ってどういう話だ?詳しく聞かせてくれ!」
稜「え...言っちゃってもいいのかな?」
栄「まぁ...いいんじゃないか?」
ここからだ。大切なのは、ここからだ。
稜「わかった...話すぞ!それはだな俺と栄がグループに入るとして、2人でのアイドル活動はどうするかって話だ!」
純介「そう...だったのか...」
間違えた。話の内容を間違えた。栄と稜はループの原因じゃなかった。
栄「どうした?そんなに絶望したような顔をして?」
純介「なぁ、もう俺の前に道がないんだよ...どうすればいい...」
俺は栄と稜に問う。俺はどうしたらいいんだ。紬の命を人知れず助け、智恵を文字通り必死に思いで説得して、その10分後に巻き起こる謎のループの原因に立ち向かっていくにはどうしたらいい。もう、俺は逃げれないのか。もう、俺には───
栄「道なんて、最初からあるわけ無いだろ?」
稜「あぁ、そうだな、それに決められた道なんて歩いてても楽しくないだろ?」
栄・稜「「道というものは自分を乗り越えて決まった覚悟が記される物のことだ!目の前に道はできない!自分で進んで来た軌跡が道というんだ!道標なんてない!だからって、歩くのをやめちまうのか?切り開け!その腕で、足で体で!」」
俺の背中には鳥肌が立つ。
純介「2人共...ありがとう...勇気がもらえた!」
栄「そうか...」
稜「よかったな!何があるのかは知らないけど!」
栄「告白でもするんじゃないか?」
稜「お、応援してるぞ!純・介・君!」
俺は2人に茶化される。そして、そのまま───
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「俺は誰かに認めて貰うために頑張るんじゃねぇ...俺は...仲間を救うために頑張るんだ!万人から嫌われても...俺は...7人を笑顔にして見せる!」
───今ここに、仲間を救うために運命に抗う少年が今、誕生する。




