第28話 説得
智恵「みんな、昨日よりは踊れるようになってるね。でも、梨央。アンタはだめ。まだダンスの振り付けちゃんと覚えてないでしょ。昨日家に帰ってから練習しなかったの?」
梨央「昨日は疲れちゃってたしMIORIOの方の動画編集もやらないといけなかったから…」
智恵「なるほどね。とりあえず振り付けはちゃんと覚えて」
梨央「わかった...」
智恵「それじゃあもう一回最初から」
智恵が手を叩く。1拍。2拍。3拍。4拍。5,6拍。
智恵「梨央、そこできてない!昨日も注意したでしょ!?こうじゃなくてこう!!なんでできないの?」
梨央「ごめんなさい...」
智恵「別に謝ってほしいわけじゃないの、謝る時間があるんだったら練習して。アンタが踊れてないせいでみんなの練習止めてるのわかんないの!?」
美緒「…ねぇ、智恵。それは流石に言いすぎじゃない?梨央だって昨日は忙しかったから練習できなかっただけ」
智恵「は?なんなの?美緒には関係ないでしょ?」
美緒「関係あるよ。その二人がそうやって練習してるとこっちまで気分悪くなる」
智恵「怒るなってこと?それは私を怒らせるほど踊れない梨央が悪くない?」
美緒「智恵はちっちゃいころからダンス習ってたでしょ?だからダンスが得意かもしれない、だけど梨央はダンスが得意なわけじゃない。まともなダンスをしたのだって昨日が初めてだったんだよ。それなのにそんなに怒る必要なくない?それと、梨央を攻める前に自分の教え方を変えてみたほうがいいんじゃない?いっつも{こうじゃなくてこう}としか言わない、言葉で説明してくれない」
純介「それは確かに思ってた」
智恵「…なに?みんな揃って私を悪者扱い?」
栄「俺はなんも言ってないって」
智恵「…まぁいいよ。こんなことになるんだったらこの会社と契約切る方がマシ!練習はこれで終わり。みんな早く帰って!」
梨央「智恵ちゃ───」
智恵と俺以外が練習場所から出ていく。
智恵「アンタも早く帰ってよ!」
純介「お前に話がある!」
智恵「なに、お説教?それならもうごめんなんだけど?」
純介「ちょっと、違う!」
俺は曖昧に答えた。ハッキリ言えば怒られる。なら有耶無耶にしてしまえばいい。
智恵「じゃあ何よ!」
純介「そんなに怒るな、俺の話を一回聞け」
智恵「...わかった」
純介「確かに自分は当たり前にできるのに他の人はそれができないとイライラするよな。その気持ちはわかる。でもな…その気持ちはあからさまに相手にぶつければいいわけじゃないんだ。伝え方によっても相手の受け取り方は変わってくる」
智恵「それは、わかってる、言い方がキツかったことも自覚してる…」
純介「じゃあなんで2日もあんなにキツい言い方したんだよ!」
智恵「…だって、できない梨央が悪いじゃん」
純介「はぁ?なんだよそれ?」
智恵「あんな程度のやつ、練習すればできるようになるでしょ!なのにちゃんと練習してこなかった梨央が悪い!!」




