第26話 鉢合わせ
純介「はぁ...はぁ...」
俺は走る。練習場所はもうすぐだ。時刻は9時26分。行かなければ皆が殺されてしまう。
純介「皆を...助けなきゃ!」
”バンッ”
純介「あ、ごめんなさ───」
俺がぶつかったのは、社長の秘書だった。
純介「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
秘書「君...ここにいたんだね...探したよ!」
秘書は笑って話しかける。
秘書「君に、話があるんだ!付いてきてくれるかな?」
純介「お前ェェ!」
俺は練習場所へと走る。
純介「みんな───」
練習場所のドアを開けると、みんながいた。
純介「よか...った...」
健吾「純介?大丈夫か?」
智恵「遅刻してるんじゃないわよ!」
純介「みんな!本当にごめん!」
秘書「私は...君を助けに来たんだ...」
純介「なっ...」
背中からこれまでに感じたことがない感覚が体を襲う。熱い。熱い。熱い。体が熱い。
秘書「これでループは終わる...大変だったね...君...」
秘書は泣きながら笑っている。これは善意だ。善意で、俺を殺そうとしている。
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「───ッ!」
体中を憎悪が駆け巡る。俺は電車の中で咄嗟に背中を触る。だが、傷はない。
ー7月3日午前9時、練習場所ー
智恵「それじゃ、始めるよ!!!今日は昨日の復習から!一回拍に合わせて踊るね」
全員「はい!」
智恵が手を叩く。そして、全て踊りきった。
智恵「みんな、昨日よりは踊れるようになってるね。でも、梨央。アンタはだめ。まだダンスの振り付けちゃんと覚えてないでしょ。昨日家に帰ってから練習しなかったの?」
梨央「昨日は疲れちゃってたしMIORIOの方の動画編集もやらないといけなかったから…」
智恵「なるほどね。とりあえず振り付けはちゃんと覚えて」
梨央「わかった...」
智恵「それじゃあもう一回最初から」
智恵が手を叩く。1拍。2拍。3拍。4拍。5,6拍。
智恵「梨央、そこできてない!昨日も注意したでしょ!?こうじゃなくてこう!!なんでできないの?」
梨央「ごめんなさい...」
智恵「別に謝ってほしいわけじゃないの、謝る時間があるんだったら練習して。アンタが踊れてないせいでみんなの練習止めてるのわかんないの!?」
美緒「…ねぇ、智恵。それは流石に言いすぎじゃない?梨央だって昨日は忙しかったから練習できなかっただけ」
智恵「は?なんなの?美緒には関係ないでしょ?」




