第19話 菊池梨央
美緒「…ねぇ、智恵。それは流石に言いすぎじゃない?梨央だって昨日は忙しかったから練習できなかっただけ」
智恵「は?なんなの?美緒には関係ないでしょ?」
美緒「関係あるよ。その二人がそうやって練習してるとこっちまで気分悪くなる」
智恵「怒るなってこと?それは私を怒らせるほど踊れない梨央が悪くない?」
美緒「智恵はちっちゃいころからダンス習ってたでしょ?だからダンスが得意かもしれない、だけど梨央はダンスが得意なわけじゃない。まともなダンスをしたのだって昨日が初めてだったんだよ。それなのにそんなに怒る必要なくない?それと、梨央を攻める前に自分の教え方を変えてみたほうがいいんじゃない?いっつも{こうじゃなくてこう}としか言わない、言葉で説明してくれない」
純介「それは確かに思ってた」
智恵に教わっていた時は気づかなかったが、梨央が怒られるとなると気付けた。やはり、智恵の教え方にも問題があるのだ。
智恵「…なに?みんな揃って私を悪者扱い?」
栄「俺はなんも言ってないって」
智恵「…まぁいいよ。こんなことになるんだったらこの会社と契約切る方がマシ!練習はこれで終わり。みんな早く帰って!」
梨央「智恵ちゃ───」
智恵を含めた各々が練習場所を出ていく。
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グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
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梨央───私の、親は共働きだ。2人共、仕事はゼネコン勤務だ。具体的な仕事内容は知らないが、毎日毎日夜まで働いていた。
梨央「美緒!次は何して遊ぶ?」
私は、たまに美緒の家に遊びに行った。美緒の両親も友達で遅くまで家にいないのだ。
だから、家族ぐるみで仲良くしていた。
ーーー
花凜「あ、梨央ちゃん!その化粧品、最近流行りのやつ?」
梨央「あ、うん!そうだよ!」
私は、流行ものや可愛いものに興味があり、中学生から化粧をする人だった。
話しかけてくれたのは時宮花凜。中学生の時は自覚は無かったのだが、私は友達が多かったのだろう。休み時間は色々な人と会話が出来た。性別学年問わずだ。
私は、特に頭がいいわけでも、運動神経がいいわけでもなかった。どちらかというと、勉強は苦手だし、やらなくてもいいのなら、やりたくない。
なら、なんで私は友達が多かったのだろうか。
美緒「きっと、温厚な性格のおかげじゃない?まぁ、後先考えずに行動するところは、欠点だと言えるけど...」
美緒は私には毒舌だが、それは私を思っての言葉だと知っているし、褒めるべき点はきちんと褒めてくれる。
天然で後先考えずに行動する私と、しっかり者で面倒見が良い美緒は相性が良かったのだ。
ーーー
梨央が生まれながらにして持っていた突出した能力、それは『感情表現力』だ。
それは、人の心を動かし、人に好かれやすくなるポイントだ。
実際、彼女の周りには、彼女に好意的な感情を持つ友人が多く集まっていた。
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