第15話 ハジメテのケンカ
美緒「関係あるよ。その二人がそうやって練習してるとこっちまで気分悪くなる」
智恵「怒るなってこと?それは私を怒らせるほど踊れない純介が悪くない?」
美緒「智恵はちっちゃいころからダンス習ってたでしょ?だからダンスが得意かもしれない、だけど純介君はダンスが得意なわけじゃない。きっと、ちゃんとしたダンスをしたのだって昨日が始めてだったんだよ!それなのにそんなに怒る必要なくない?それと、純介を攻める前に自分の教え方を変えてみたほうがいいんじゃない?いっつも「こうじゃなくてこう」としか言わない、言葉で説明してくれない。
純介「美緒、もういいって...」
美緒「じゃあ、純介はそのままでいいの?」
純介「え...」
美緒「純介は、このまま智恵に怒られているだけでいいの?」
純介「それは...嫌だけど...」
智恵「何?ダンスを教えてあげているのに、恩を仇で返すの?まぁいいよ。こんなことになるんだったらこの会社と契約切る方がマシ。練習はこれで終わり。みんな早く帰って!」
純介「なっ...」
智恵が練習場所から去っていく。これはつまり、智恵が脱退したことを表しているのだ。
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
純介「はぁ...はぁ...」
”ガタンゴトンガタンゴトン”
俺は急いで時計を見る。時刻は7月2日の午前8時だ。俺は今移動中の電車に乗っている。
純介「ループ...レッスンの最初から...ここに帰ってくるのかよ...」
ー午前9時、練習場所ー
智恵「全員揃ったかな?じゃあ始めますか。えっと、練習のプランというか、考えてきたんだけど。まずは軽く20秒くらいのダンスを踊ってみる。2、3日で完璧に踊れるようになりたいな」
健吾「なるほど、じゃあとりあえずやってみるか、智恵、どういう感じでやればいい?」
智恵「隣の人と当たらないくらい広がってやればいいよ〜」
梨央「了解です!」
智恵「それじゃ、まず基本的なストレッチとダンスの振り付けまで教えちゃうね〜」
全員「はい!!」
ー1時間後ー
先程まで行っていたダンスを再度一から教えてもらう。俺ができるのは覚えることだ。
智恵「ダンスの振り付けはこんな感じだね。それじゃあ一回拍に合わせて踊ってみようか。いくよ!」
智恵が手を叩く。1拍。2拍。3拍。4拍。5,6,7,8拍。
智恵「ちょっと!!そこできてない!こうじゃなくてこう!!」
純介「えっと...待って?こ、こう?」
智恵「まぁ、うん...さっきよりはマシになってる...かな?」
純介「あ、ありがとう!」
智恵「はぁ...もう1回やってみるよ!」
智恵が手を叩く。1拍。2拍。3拍。4拍。5,6拍。
智恵「純介!そこも違う!もう、他の人は一回休憩してていいよ!」
俺と智恵以外のみんなは休憩に入る。
純介「最初から教えて貰っていい?後、動画も撮らせて!家でも練習したいんだ!」
智恵「しょうがない、最初から踊るからしっかり動画、撮ってね?」
───これは、まだ悲劇の序章に過ぎなかった。




