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NJruler  作者: 花浅葱
4章 その愛を裏切りと呼ぶのなら
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第116話 死

 全員「え...」

 沈黙。


 稜「紅美が死んだって...どういう事だよ!」

 健吾「そのまんまだよ。死んじゃったの。これ、見て」

 健吾はしわくちゃになり、少し濡れてしみになっている紙を取り出した。そこには、文字が書かれていた。

 栄「これは...」

 健吾「遺書だよ。紅美が書いた遺書。紅美は、肝臓がんで死んじゃったんだ」


 再度、沈黙。健吾が一呼吸入れる。そして───


 健吾「健吾へ。この手紙を私の両親から渡された時、もう私はこの世にいないでしょう。なんて、こんなよくある遺書の───


 ーーー


 健吾へ。



 この手紙を私の両親から渡された時、もう私はこの世にいないでしょう。なんて、こんなよくある遺書の書き始めをしてみました。


 でも、実際最初になんて書けばいいかわからなかったから、これで。


 私は今、この手紙を病院で書いてます。健吾と別れた後、すぐ病院行き。って、入院することになったから、早急に話をすることになっちゃったんだけどね。


 健吾に伝えたいことがあります。ごめんね。


 健吾のこと、大好きなのに、嘘ついちゃった。健吾のことが嫌いって。


 ごめんね、傷つけちゃったよね。でも、私にはそうするしかなかった。


 私は、肝臓がんだってこと知ってた。もう、末期だってことも。


 でも、健吾のことを悲しませたくなかった。健吾のことだから、付き合ってたら私が死んでも他の女の人と付き合わず、そのまま生涯独身で死んじゃいそうだったから、嘘ついてまで、別れたの。って、こんな事を遺書に書いたら失敗だね。


 健吾が、よりを戻そうって来た時、凄く嬉しかった。でも、そんな健吾に嘘を付く自分のことが嫌いになった。騙し続けるのが嫌になったから遺書で全部ネタばらし。


 健吾が私のことを大好きで、私が自分自身のことを虐めると怒ること位わかってるから、自分を責めるのはこのくらいにするね。健吾、ありがとう。


 こんな私を愛してくれてありがとう。取り柄なんか無かったのに、好きでいてくれてありがとう。でも、健吾が死ぬ時は、別の女の人と結婚してから来てね。そうしないと、私が嘘ついた意味なくなっちゃうんだから。


 約束だからね。誕生日の時に健吾がくれたハンカチだったり、初デートで行った水族館。健吾との思い出は一つも忘れてないから、大丈夫。今まであり


 ーーー


 健吾がそこで一息つく。

 健吾「ここで、手紙が終わってる。紅美の母親から、紅美はこの手紙を病院で書き途中のまま死んじゃったんだってさ。昨日の朝7時に、天国に飛び立ったって言えばいいのかな?享年17」

 俺の目から、いつの間にか涙が溢れていた。話どころか、顔すら見たことがない人の死を聞いて泣いている。周りを見ると、みんな泣いていた。健吾以外の6人がだ。


 純介「ごめん...」


 俺は呟く。紅美が死んでもループはしない。俺達8人がグループを組むのに、関係ないからだ。俺の妹は、救えた。でも、病気で死んだとなればどう足掻いても救えない。

 健吾「俺、このグループで頑張ることにするよ。紅美のために」


 健吾はそう、呟いた。明日は、MVの撮影だ。


時間は無慈悲にも流れていく。

戻ることはできない。ただ、進むしか───

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