第104話 罰 その②
俺は、なにかの椅子に縛り付けられている。目の前には、白衣を着た男が座っている。
白衣の男「さぁ、話せ」
純介「ここはどこだよ」
白衣の男「話せ」
純介「話せって何をだよ!」
白衣の男「君たちが、どうして私の研究しているゾンビウィルスのワクチンを持っていたのかだ。話さないと、次はないぞ」
純介「知らねえよ!ここはどこだ───」
俺の体に、激痛が走る。熱さとも感じ取れない、激痛が。体の節々が火傷したように痛い。
白衣の男「話せ」
純介「知らないって言ってるだろ!」
再度、俺の体に激痛が走る。これは、電気椅子だ。俺は電気椅子に座っていたのだ。
純介「どうせ、これは罰だ!仮面の男!お前は何を望んでいるんだ?答えろよ!」
俺の体に、電気が流れる。皮膚がどんどん剥がれていき、そのまま意識が薄くなり───、
***
死んだ俺が向かうのは、次の世界だ。気絶したかと思ったが、すぐに意識を取り戻す。
純介「はぁ...はぁ...ここは...」
智恵「純介と紬も早く!逃げて!」
俺の耳に、智恵のそんな声が響く。声のする方を向くと、綺麗な赤に染まった屋根が落ちてくる。否、赤く染まっているのではない。これは火だ。ここは、燃えている。
紬「純介!何ボーッと立ってるの?早く逃げないと!」
純介「え、あぁ!そうだな!」
仮面の男{これはお前に対する罰だ。生き死にを繰り返し、自分の罪を悔やめ。廃人になる寸前に助けてやる。だから、死に続けろ。絶望の片鱗を、味わい続けろ。自分が進む可能性があった未来を経験し続けろ。}
俺の頭に、仮面の男の声が響く。直接脳内に語りかけに来たのだ。
純介「どういうことだよ!進む可能性があった未来って!」
紬「純介?どうしたの?」
俺は紬を抱きしめる。
紬「純介?」
純介「紬!愛してる!愛してる!愛してる!好きだ、好きだ、好きだ!」
紬「私も好きだし、愛してるよ!そんなことより、逃げないと!」
純介「もう...逃げても駄目なんだ。死ぬしか無いんだ」
紬「え...」
純介「俺はここで死ぬのが確定しているんだ」
紬「そんなの嫌だよ!私は死んでもいいけど、純介は死んじゃだめ!」
純介「俺だって、紬には死んでほしくない!でも、駄目なんだ。俺と一緒にいれば、お前も死ぬ。なら、一緒に死んでくれないか?ハハ...酷い我儘だな...俺」
紬「いいよ、死んであげる」
純介「え?」
紬「彼女が、彼氏と一緒に死ぬの、なんか儚くてキレイじゃない?」
紬は、俺にそう言うと笑いかけてくれた。この世界線の俺は、紬と付き合っていたのだ。
純介「そうだな...紬。ありがとな」
そのまま、俺は紬と一緒に焼け死んだ。
***
死んだ俺が向かうのは、次の世界だ。気絶したかと思ったが、すぐに意識を取り戻す。




