第99話 フォニィ
美玲「話し合いをしたいんでしょう?なら、そんなに怒らないのよ。冷静にならないと会話できないわぁ」
美緒「冷静じゃないのは、お姉ちゃんでしょ!梨央、行こう!」
梨央「え?あ...うん...」
美緒は、梨央を連れて練習場所を出ていった。やはり、ループは起こらない。
美玲「冷静じゃないのは、美緒のほうじゃない...」
美玲さんは目を細めながら、ため息をついて床に座る。
栄「きょ...今日のレッスンはこれで終わりにする?」
純介「待ってくれ。みんなに話したいことがある」
稜「どうした?」
純介「今、紬がオタク共に殺されそうになっている」
栄「はぁ?どういうことだよ!」
栄は焦ったような顔をしている。
純介「そのまんまだ。オタクは紬、そして俺の命を狙ってる」
智恵「じゃあ...どうすればいいの?」
純介「一つだけだが、作戦はある」
稜「教えてくれ!その作戦ってやつを!」
純介「それはだな...」
ー午後7時ー
俺の名前は橋本隆貴。夜7時に何をしているのかって言うと、男に汚されてしまったつむ様を殺そうとしているのだ。自分たちの物にならないのなら、死んでいったほうがマシだ。それに、このままではもっと汚されてしまう。なら、早めに処分しておいたほうがマシなのだ。協力者である、佐藤浩二さんもいるので、必ず成功させようと思う。
───って、思ったのだが、俺らは過去に2度失敗している。
1度目は、7月1日。つむ様の最寄り駅で声をかけようとしたものの、来なかった。
その日は、電車を使わなかったのだろうか。SNSには、「本社に呼ばれた!」って、言っていたのに。もしかしたら、タクシーを使ったのかもしれない。タクシーなら、どう足掻いても殺せない。だから、諦めた。
2度目のチャンスはすぐやってきた。7月4日。その日、つむ様と直接喋る機会が出来た。
橋本「なぁ、つむ様。一緒に遊びに行かない?」
つむ様「え...なんですか?あなた達は...」
橋本「一緒に俺の家に行こうよ!遊びたいだろ?」
佐藤「欲しいものはなんだってあげるよ!お菓子がいい?」
つむ様「や、やめてください!ついていかないです!帰らせてください!」
つむ様は、俺らのものにならなかった。だから、道路に飛ばして轢死させようとした。
だが、そこに一人の少年がやってきた。その少年は、車を無理矢理止めると俺らの方を睨んできた。きっと、こいつだ。こいつのせいでつむ様は変わってしまったのだ。純粋無垢なつむ様は汚されてしまったのだ。
おっと、過去を振り返るのはやめにしよう。3度目の正直と言うしな。今、つむ様と、その少年が道路を歩いている。急に飛び出して、突き落とせばいい。
橋本「変な男がぁ!お前のせいでつむ様は汚され───」
否、つむ様じゃない。つむ様と同じ格好をした別人だ。少年も、別人。別人だった。
少年「こいつが、純介の言ってたオタクか?」
偽つむ様「そうっぽいわね。通報しとかないと!」
橋本「お...お前らは何者だ!」
偽つむ様「そうねぇ...言うなら、紬の偽物かしら?」




