第97話 帰り道は背後に気をつけろ
純介「はぁ、美緒と美玲さんの喧嘩、大丈夫かなぁ...」
そんなことを心配しながら、スマホを見る。すると───
ー 斉藤紬さん(15)死亡 道路に突き落とされたか ー
そんな記事が目に入った。そして───
***
グルグルグルグル。視界が回る。頭がキンキンと痛くなる。そして、少しの喪失感があり。
時刻は2時55分。俺達は電車に乗っている。
純介「また...ここ?」
紬が、また殺された。俺がきちんと守らなかったからだ。家まで送り届ければよかった。
帰り道に殺されたのだ。もっと、俺がしっかりしていていれば。
純介「な...んでだよ...」
紬「純介?どうしたの?大丈夫?」
純介「紬...ごめんな...」
紬「え?なんで謝るの?」
純介「こっちの話だ」
ー午後3時20分、練習場所ー
稜「あれ、純介と紬?」
智恵「ちょっと、どこ行ってたのよ?」
純介「午前中予定が入っちゃって...ごめんな」
紬「つむもー!」
智恵「まぁ...来たことだけでも評価しよう...」
栄「それじゃ、ダンスの続きでもする?」
智恵「いや、もうすぐ美玲さんが来るから休憩にしない?」
美緒「じゃ、そうしようか」
やはり、美玲さんが来るまで休憩となる。ここでも、励ましは必要だろう。
純介「なぁ、健吾」
健吾「どうかした?」
純介「えっと...紅美さん?とはどうなった?」
健吾「振られたよ。完全に、別れてきた」
純介「そう...なのか...」
健吾「安心して、もう取り乱したりはしないからさ」
健吾は優しく呟く。心境に変化がないように装っている。が、虚ろな目をしている。
健吾「もう、紅美のことは忘れることにするよ。もう、あんなヤツ大嫌───」
俺は、健吾を抱きしめる。口を抑え、何も言わせない。
健吾「純....介?」
純介「大変だったよな。辛かったよな。紅美さんと別れて苦しいんだよな。ただ、愛を欲しているんだよな。大丈夫、大丈夫だよ。枯渇した愛を誰かに埋めてほしいんだよな。別れたから、それを最初からなかった事にしたいんだよな。大丈夫、大丈夫だよ。お前には俺達がいる」
健吾「純...介は...わかってくれるのか?」
純介「あぁ、付き合ってた人が急に嫌いになるなんてありえないだろ?それに、諦めきれなかったじゃないか。それほど愛してるじゃないか。そこから供給していた愛が無くなって、辛いんだろ?苦しいんだろ?大丈夫、俺らがいる。俺ら7人はいつだって味方だ。仲間だ。俺は7人を愛している。だから、健吾も俺ら7人を愛してくれ」
健吾「みんな...愛してくれているのか?」
美緒「当たり前じゃない。大切な仲間よ。誰一人として減ってほしくないわ」




