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トリコフィリア

作者: 秋暁秋季

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。

髪の綺麗な人が好きです。柔らかくて、サラサラで、思わず顔を埋めたくなるような髪の人が好きです。あぁ、私は……。

「うん? どうしたの?」

放課後の教室。時折音楽室から吹奏楽部の多重音が聞こえてくる。日は既に傾きかけていて、柔らかい光が黄昏を示していた。

目の前に座る彼は目に弧を描かせ、小首を傾けた。柔らかい髪が同時にたらりと零れ落ちた。絵になる光景だった。動いているのに、一枚の完成された絵のようだった。私はその光景からそわりと目を逸らし、気持ちを落ち着かせる為に唇を引き結ぶ。

「答えてくれないと分からないなぁ」

彼は机に肘を着いたまま、左手を此方に伸ばしてくる。頬にでも触れるのかと思った。目を合わせる為に。けれども違った。骨ばった、しなやかな指は長髪を一房掴むと、すぅっと目を見開いた。その光景にドキリとする。

「髪フェチなの。狂おしい程。だから貴方の綺麗な髪を見るとソワソワする」

「おやおや」

彼は上機嫌で掴んだ髪を顔まで近づける。それから感触を確かめるように、指同士を擦り合わせた。どうだろうか、私のは。貴方に触られるだけの価値はあるだろうか。

「誓のキスは唇って決まっているけれども、私は髪にして欲しい」

どうにも子供の頃からの夢なのだ。だから伸ばしている。毎日毎日、指で弄って、手櫛で通し、貴方に触れられるその日まで、大事に育ててきた。それは唇に落とされた物よりも、ずっとずっと価値があるものだと思わない?

持ち上げられていた髪は、とすんと胸元に戻ってきた。指先は慈しむように後頭部から首にかけて、また髪を撫でる。それからまた一房掴んで、キスを落とした。あぁ、今なら死んでもいい。

「ん、僕のも触る?」

そう言われて触れた恋人の髪は、極上の肌触りだった。

唇に落としたキスよりも、髪に落としたキスの方がドキドキしません?(私だけかな……)


とあるイラストサイト漁ってたら、めっちゃ髪の綺麗なキャラがいて、思わずソワソワしました。


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