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おわコン!~お笑い芸人は異世界で最高のコンビ!~  作者: 印朱 凜
第4章 トンカツで婚活
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新パーティー結成2

 

 すでに魔法使いアビシャグは、ティケ師匠救出のため、尽力する覚悟を決めている。そして固唾を呑んでダケヤマの返答を待った。


「俺……俺は……ただのお笑い芸人やけど……カヤタニや! 俺は喋れんようになった相方を、元に戻すためなら何でもするで!」


 カヤタニという女性を助けるためならば本気になる――そんなダケヤマの姿を見てアビシャグは、何とも言えない気持ちとなった。

 最近、自分で恥ずかしくなるほどダケヤマの事が気になって、独りで赤面したり切なくなったりするのだ。


「で、でもダケヤマさん。そのためには闇落ちした師匠を、何とか説得して魔法を解いて貰うか……」


 ティケ奪還に執念を燃やすアスカロンは、自分に言い聞かせるように続けた。


「……あるいは殺すしか失語魔法(アフェイジア)を克服する方法はないな」


 アスカロンの苦渋に満ちた発言は、一同をしんとさせるに十分なほどの気迫を帯びていた。アビシャグが沈黙を破る。


「ア、アスカロン! 師匠は……いや、ヘカテとは会話ができたそうです。ひょっとすると人の心を取り戻せる可能性が残されているかも!」


「そうかもな。だがもし無理ならば……この俺の手で……そうしてでも邪悪な道から救ってやりたい……!」


 その言葉が出た時のアスカロンの両拳は、血が滴るほど握り締められていた。


「わ、私も優しくて大好きだったティケさんが、そう簡単に心の芯まで闇に染まるとは、今でも信じておりません」


 のべ太はアスカロンを諭すように言った。


「やっと見つかったティケだ。敵の本拠地に乗り込んで、彼女を悪の道から引き摺り下ろしてやろうぜ!」


「そうだな、役者は揃ったし、後は覚悟を決めるだけだ! 本物の悪魔が運営している脱出不能の呪われたゲーム内には何が待ち受けているか分からない。だが、迷っている暇はない。行くぞ! ダケヤマ殿!」


「おおーッ! とちゃうわ! いきなり突撃できる訳ないやろ! 大体、情報量が多過ぎんねん! 頭の中で整理するのが大変やわ」


「杜撰な計画と思われても仕方ない。だが好機を逃したくもない。準備が整い次第、すぐ出発するぞ。装備はフォークリフトを含め、屋敷内に全て準備してある。色々ありがとう、のべ太! アビシャグは少し休んでおいてくれ….」


 テキパキと物事が進んでゆく中、ダケヤマはまだ躊躇していた。心の中に引っかかっているモノがあるからだ。


「俺、ちょっと行ってくるわ」


「ああ、分かっているさ。なるべく手短にな!」


「ありがとう、アスカロン。そして皆、ちょっと待っててな」




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