第一話:ステータスオープン
過労で倒れ、トラックに轢かれて神によって転生させられてからはや4年。
初めは赤子だった。目の前に周りから見えないウィンドウ(らしき何か)と共に俺の視界は明るくなった。
そのウィンドウには神からの軽い説明があった。
それによると、この世界のステータスは、体力、筋力、頭脳、頑丈、技術、魔力、敏捷、運、回避の9種類があり、トレーニングや勉強でも上がるらしい。
ただ、俺の場合、そこで振られるステータスがポイントになるので、勉強しても頭脳に振らないとその内容をすぐ忘れてしまうらしい。
また、もちろん魔物はいるので、倒してレベルを上げることもできる。
「ステータス」と頭で思うとステータス画面が、「スキル」と思うとスキル画面が出るようになっていて俺の場合はステータス画面でポイントを振れるようになってた。初回特典サービスで9ポイントついてたから一応全部に1ずつ振っといた。それによって俺は様々な点から通常の赤子に比べて2倍の実力を持っていたことになっていた。
俺はソラトと名付けられた。苗字はジメンだった。
ソラト・ジメンである。空か地面かはっきりして欲しいところだ。
そして言葉や簡単な計算を教えてもらったり、兄や姉に鍛えてもらったりして、現在3歳である。
これから、ステータス閲覧の儀をしにいく。子供たちはこの儀式でステータスを公開できる事を知る。
事前に5歳になった兄のジョセフにステータスを見せてもらい、それより全体的に少し低く、運だけ少し高く設定して、ポイントを40ほど余らせておいた。目立ちたくないからね。でもこう考えると周りの人達ってあんま大した事ないんじゃねえか?
教会に着いた。入ると、俺の他の今年4歳になる子供たちがいた。その先に偉いであろう司祭。
呼ばれた1人目の子が前に出た。
「ではスモーキー・ピンカーよ!ステータスオープンと言ってみるがいい!」
司祭が言った。
「ステータスオープン」
そうすると、スモーキーくんのステータス画面が彼の目の前に表示された。
全体的に俺より少し低いが、司祭は褒めていた。
あとは聞かずに魔力を練る練習をしていた。そしたら糸ができたのであやとりをやってた。
すると後ろから肩を叩かれた。少年がいた。
「僕はシド・レミー。君は?」
音階みたいな名前だな。
「ソラト・ジメンだ。ソラトでいい。」
「じゃあ僕もシドでいいよ。ところで何してるの?」
あやとり…では通じないか。
「紐いじりさ。いい暇つぶしだよ。」
「ソラト、よかったらお友達にならない?」
急だなぁ。まあ友達は多くて困ることはない!
「いいよ」
「なんじゃと!このステータスは…!」
急に司祭が叫んだ。
驚いてそちらを見ると、ヒジキ・ユカリという女の子がジョセフ兄さんの二倍くらいのステータスを叩き出していた。まあ残ってる俺のポイント全部振ったら越えれるけど。隠しといてよかったわ。
「ソラト・ジメン!」
呼ばれたので行ってステータスオープンした。
彼女の後だと低く見えてなんか残念がられた。まあ潜在的な能力は俺のほうが高いけどな!別に悔しいわけじゃないんだぞ!