2日目「ようこそ!ファルクール家へ!」
車から降りると、私は使用人? に案内される。
黒服をきていて、いかにも執事って感じである。
(流石はお金持ちの屋敷だなぁ、お城みたい。)
奥には大きくて立派な扉があり、そこを境に左右対称になっているいかにもな感じの西洋風の屋敷だ。
「すみませんね、うちのマリーお嬢様があなたを連れて行くと聞かないもので......」
「いえ......どうせ私に身寄りはいませんので......」
「実は、お嬢様も生まれてすぐに病気で母を亡くされているのです。それから、ずっと塞ぎ込んでいたお嬢さまは、ある時からこっそり外に出歩くようになりました。そして昨晩お嬢様は、気になる方がいるので孤児院に行きたいと言い出したのです。最初はご主人様もご心配になられていましたが、マリーお嬢様が元気になるようにと外出を許可なさったのです」
「そうだったんですか......」
(それがまさかこんなことになるとは思っていなかったのだろう。......彼女は私に似ている。事情も知らず不満を重ねて、バカみたいだ......年上の私が少しでも心の支えになれるなら......)
「お嬢様とどうか仲良くしてやって下さいませ。決して悪気はないのです......それと私はバルクと申します。用事があればなんでもお呼びくださいませ。あなたも本日からこの屋敷の住人なのですから......」
「はい......ありがとうございます。」
そういう話をしているうちにマリーの部屋に案内された。
扉を開けると金髪の美しい幼女が待っていた。バルコニーに立っていたその幼女は、さらさらとした髪をなびかせて私の方へと振り向いた。
(......かわいい)
「ねえ、マリー......お嬢様、どうして私なの?」
マリーはなんでそんなことを聞くのかわからないという表情でこちらをじっと見つめていた。
「そんなのあなたが一番可愛いからに決まってるじゃない!」
「......っ!」
私は恥ずかしくて、そして嬉しくてなぜか瞳からは涙が溢れていた。
そしてマリーはお日様のような笑顔でこう言った。
「ようこそ! ファルクール家へ!」