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幼女のようじょ  作者: えあのの
第二章 冒険のはじまり
29/39

28日目 「母娘のはなし」

 

 「話はわかったんだけど、一旦リリの話も聞いてあげてくれませんか.....?」


 みよがそういうと、リリが緊張しながら話し出した。


 「私、まだ小さかったからお母さんがどんな思いで一緒に暮らしてたかなんてわかんなかった。お話聞いたから、魔法やめさせたいって気持ちもわかったの。でも、やっぱり私、魔法やりたいよ。人を幸せにできるようなそんな魔法使いになりたい」


 リリがそうはっきりと自分の気持ちを伝えると、ルキアもしっかりとリリに向き合って応える。


 「別にリリはお母さんみたいにならなくていいのよ。魔法が上手くなればなるほど、人はリリを利用しようとするかもしれないわ。魔法ってそんなにいいものじゃないのよ......」


 そういう言い終わらないうちにリリは言う。


 「嘘だよ! お母さんの話聞いて、本当はお母さんが一番魔法のこと好きなのわかった。私はまだ全然強くないけど、いつかお母さんを探してる人達より強くなって守ってあげるの!」


 リリはいつにないくらい声を張っていた。


 「リリ、本気なのね......」


 ルキアがそう言うと、リリはコクコクと頷いた。


 するとみいがリリに加勢するように


 「リリの魔法はすごいのです! ヒューンってなってわーっていう感じで本当に凄いのです!」


 と言った。いまいち抽象的でよくわからないけど、おそらくみいなりの精一杯の表現なのだろう。


 続けてシエルも


 「正直言ってリリには魔法の才があるわね、母親の貴方に似たのかしら。今はまだまだだけど」


 と口を出した。


 「うーん、シエル最後のは余計じゃない?」


 とみよが言うと、マリーは気にしていない様子で


 「やっぱりリリには才能があるのね!」


 と目をキラキラさせながら言った。


 「お母さん、まずは勝手にいなくなっちゃってごめんなさい。実は一人で......ううん、みよ達に手伝って貰って魔法の練習をしてたの。見てくれる......?」


 リリは不安そうな目をしながらルキアの手を掴んだ。


 「私からもお願いします」


 みよがそういうと、みんなも頷く。


 「わかったわ......ついて行けば良いのね?」


 リリとルキアに続いてみよ達も屋敷の外に出る。


 「リリ大丈夫かな......」


 とみよが呟くと、マリーは


 「リリなら大丈夫よ、きっと上手く行くわ! そんな気がするの」


 と言った。


 屋敷の外に出ると、リリは木に向かって狙いを定めていた。


 「お母さん、見ててね。今からあの木に穴を開けてみせるから。」


 リリは呼吸を整えて、そして木の方に集中している。


 一瞬空を切った音が鳴ったと思えば、その時にはもう木に風穴が空いていた。


 「やったわ!」


 みよとマリーは手を合わせながら飛び跳ねていた。リリも嬉しそうだ。


 ルキアの表情からは反応は伺えない。恐る恐るリリはルキアに質問をした。


 「そ、その......どうだった?」


 



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