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幼女のようじょ  作者: えあのの
第二章 冒険のはじまり
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24日目 「ふしぎなお屋敷」


 「こんなに大きいの?!」


 みよは思わず声が出てしまい、マリーに口を塞がれる。


 目の前にあったのはとても大きなお屋敷だった。さすがにファルクール家には及ばないがそれと同等くらいには立派なお屋敷だ。


 「リリちゃんのおうち素敵ね......!」


 マリーは小声でそう囁く。


 「それにしても森の近くにこんなに大きな家があるなんて聞いたことないけど......」


 貴族が持つほど大きなお屋敷があれば誰かが知っていそうなのに誰もが聞いたことがないようだ。


 リリが扉をコンコンとノックして何か不思議な呪文を唱えたかと思うと扉がギーっと音をたてて開く。


 「あの呪文一体何なのかしら?」


 そうマリーが呟くと


 「私も長く生きてきたけどあの呪文は知らないわね、魔法の詠唱文のようなものであることはわかるのだけど」


 シエルはそう答える。


 よく見てみれば、扉の向こうには誰もいないようだ。


 「ひとりでに開いたのです......」


 みいは少し驚いて耳を動かしている。


 「早く行かなきゃ扉が閉まっちゃう!」


 みよが合図すると全員扉の方へと向かう。


 4人が恐る恐る扉の中へとはいると


 みよは首筋にひんやりとしたものを感じる。


 「ひゃっ!」


 「あらあら、お友達かしら~こっそりつけてくるなんてどうしたの?」


 振り返ると帽子を被った綺麗な女の人が立っていた。ずっとニコニコしているがなんだか考えてることがわからなくて少し怖い。


 ふと気がつくとマリーは右手にみいは左手にと少し怯えるようにみよの袖にしがみついている。


 「ずいぶんとかわいいお連れさんね、その様子だとリリに危害を加えにきたってわけではなさそうね」


 その女の人がそういうと、それまで張り詰めていた空気が一気に緩んだ気がした。


 「ごめんなさいね、少し怖がらせちゃったみたい。リリがお友達を家に連れてくるなんて初めてのことで私も少しびっくりしてしまったの。許してちょうだい。」


 そういうと三人の頭を撫でる。なんだか少し暖かい気がする。


 その様子を驚いた顔で見ていたリリは頭を撫でているのをみて胸を撫で下ろしている。


 「お母さま! その人たちは悪い人じゃないの。なんというかその知り合いというか......」


 そう言いながらリリは気恥ずかしそうにみよたちの方を見つめる。


 「リリは私達の大事な友達よ!」


 マリーがそういうとえへへという表情でリリは可愛らしく微笑んでいる。


 「みればわかるわ、少なくとも悪い子たちではなさそうね。それはそうとしてこっそり人の家までつけてくるのはいかがなものかしら。」


 女の人がそういうとみなバツが悪そうに目を逸らす。


 「まあいいわ。この場所にたどり着いてしまったなら話すことがあるわ、一緒に来てくれるかしら」


 そういうとこっちへと手招きをしながら屋敷の奥の方へと向かっていく。


 ふとリリの方へ目をやるとコクコクと頷くのでみんなでリリのお母さんについて行くことにした。


 一体何を言われるんだろう......


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