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幼女のようじょ  作者: えあのの
第二章 冒険のはじまり
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21日目「空を覆う紫雲」

 それからみいの特訓は始まった。


 「リリちゃん、魔法を使うのに一番大事なのってなんだと思う?」


 リリは突然そんなことを聞かれたので頭を抱える。


 「えっと......いっぱい練習して一つの魔法を完璧にするとかですか??」


 リリがそういうとみいはわかってないなぁという顔で


 「うーん、まあ確かに時間があればいいかもしれないけど、そんなんじゃあすぐおばあちゃんになっちゃうよ」


 「えぇ......それじゃあどうしたら」


 「マリー、この前のやってみて」


 「わかったわ!」


 そういうとマリーは目を閉じまんまるの水の玉を宙に浮かべる。


 「水属性の魔法ですか??」


 「まあみてなさい」


 みよは自分が魔法を使うわけでもないのに得意げな顔をしている。


 宙に浮いた球は徐々に歪み始める。


 歪んだ水の球を上下させ、照準があったかと思えば地面に落ちていた木の枝がチリチリと音をたて始める。


 「わわわ! 火がついてますよ! 一体どういうことなんです??」


 「ふふふ、まあ詳しい説明は省略するけど要はスプラッシュボムみたいな準初級魔法でも工夫次第で火が起こせるってこと」


 ちりちりと燃える木の枝をまじまじと見つめるリリはきらきらと目を輝かせている。


 「先生......!」


 「いやあ、先生なんてやめてってば!」


 そう言ってリリの方に目をやるとマリーの方を向いて手を合わせるリリの姿が見える。


 (うーん......教えたの私なんだけどなぁ、まあこれはこれでいっか)


 「そういえばあなた何属性の魔法が使えるの?」


 「それが......私の使える属性とかよくわかってなくて、そもそもまだ2つしか魔法が使えないんです」


 「うーん、それはどんな魔法?」


 「一つは......」


 そう言ってリリが木に向かって指を向けて、一瞬乾いた音がしたと思うと木には窪みができていた。


 「空気銃ね、威力はちょっと弱いみたいだけど」


 シエルはそう呟く。


 「もう少し威力を上げれば何かに使えそうかなあ......」


 みよは腕を組んでなんとか生かす方法を考えている


 「もう一つはどんな魔法なのかしら? 気になるわ!」


 そうマリーが尋ねると、


 「すみません......そっちはもう少し広い場所じゃないとできなくて、そっちの方に木がない広いところがあって」


 そう言われみよ達はリリの導く方へと向かう。


 そこには森の中のいわゆる木がない部分がしばらく広がっていた。


 「それでは、いきます!」


 そういうとリリは杖を構える。


 その瞬間、何かを察したのかみいは耳を立てて警戒する。


 リリが何やらぶつぶつと呪文を唱えたと思うと空がだんだんと暗くなってゆく。それに色もなんだか紫っぽくなっている気がする。よく聞くと雷鳴なんかも聞こえ、横から凄まじい風が吹いてきた。


 「これって......」


 そしてリリは呪文を唱え終える。


 「えっ......」


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