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幼女のようじょ  作者: えあのの
第二章 冒険のはじまり
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16日目「出発前夜」

 

 「なんとかお父様を説得できたけど......」


 「大変だったね」


 可愛い娘が旅に出たいと言えば親として心配しないわけはない。なんとか説得できたけど、気が変わらないうちに早く旅に出なくちゃ......


 「旅に1人同行させるって言ってだけどどんな人なんだろうね?」


 みよはマリーにふと尋ねる。


 「わからないけど、とっても心強いって言ってたわ。本当は旅になんて出したくないけど、あの人にならってお父様が」


 ちらっとみいの方に目を向けると、最初の緊張とは反対に、とてもリラックスした様子でソファーに横になっている。


 「寝ちゃったみたいね」


 マリーは小さな声で囁き、毛布をかける。


 「明日からのことだけど少し確認してから寝ない?」



 「わかったわ、とりあえず最初に行く街からね」


 マリーは自分の体の2倍以上もある地図を棚から取り出している。


 「大丈夫? 手伝おうか?」


 マリーがふらふらしていて見ていられなかったので手を差し伸べる。


 「助かるわ! みよ」


 そうして2人でゆっくり地図を開く。


 「ここが今私達がいる国ね。王都が真ん中にあって、その他の街が周りに広がっているの。」


 この国の地図をみよは見たことがなかったのでまじまじと見つめる。


 「で、今日行った街がここで、ミラリアに行くには王都をつっきるのが一番早いかしらね?」


 「じゃあ、王都に一回よるってことね」


 「そうなるわね、その後は一応ミラリアとの間の街に滞在して情報を集める予定よ」


 みよは、メイドさんから貰ったメモ帳にしっかりと書き記した。ちなみに、この前作ったラピルパンのレシピもここに書いておいた。


 「......よし! 書き終わったよ、それじゃあ今日はもう寝る?」


 「そうね! おやすみ!」


 ベッドに入ると、マリーはみよのおでこにおやすみのキスをする。


 (やっぱりこれなれないなぁ...)


 みよはマリーに背を向けて顔を赤くしている。


 2人はゆっくりと目を閉じ、眠りについた。


 「貴方達! いつまで寝てるの! 早く起きなさい!」


 ぼんやりと知らない声が聞こえる。


 (誰だろう......?)


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