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幼女のようじょ  作者: えあのの
第一章 出会い
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9日目「マリーの涙」


 怪しい人影を追ってみよとマリーは急いで追いかけた。そして、路地を抜けて角をまがると、


「いない......見失っちゃった。」


 気づくとマリーは目に涙を浮かべていた。


「ごめんなさい......せっかくみよに選んでもらったのに取られちゃった。私が、気を抜いてたから......」


 マリーはみよの胸に顔をうずめてしくしくと泣いている。


 みよは優しくマリーの頭を撫でる。


「まだ......まだ諦める時じゃない! どうしたら......」


(考えろ、わたし。きっとまだ手はあるはず......逃げた悪役を追いかけるには、もし私が物語の主人公だったらどうする?)


 みよは冷静になって周りを見渡す。


(ただの盗賊にしては手際が良すぎる......どこかを根城にしている? 角を曲がった後すぐに見失った。そして次の角までは200mほど。いくら反応が遅かったとは言っても路地を抜けたってことはないよね)


 みよが頭を抱え悩んでいると、後ろで控えていた執事のバルクがこう言った。


「下ではないでしょうか。」


「下、ですか?」


 みよは、辺りの地面を見回した。


 目の前にはマンホールのようなものがあった。


(......っ! 下水道!!)


「バルクさん、この下に奴らの根城があるってことだよね?」


 バルクは静かにコクリと頷く。


 そして私達は、下水道へと降りる。


 中にはもちろん電灯などはなかったが、ここも魔法によるものか少し明るくなっていた。


「マリーまた協力してもらってもいい? 少し考えがあるの......」


 (下水道であれば、外側よりも温度が低いし、たくさんのひとが動いて移動すれば温度も上がるはず......! つまり湿度も高いこの場所では人が通り過ぎた後はゆっくりと気温が下がり、結露ができる!)


「マリー、壁についている水滴の量を調べて!」


 マリーはこくりとうなずき、壁に手を当てて目を閉じる。マリーは、ファルクール家の聖霊の加護を受け継いでいるので、大抵の水魔法は使うことができるのだ。


 しばらくしてマリーは目を開くと、


「ここからしばらく行ったところまでは少し水の量が多くなっているみたい......でもあるところで途切れてそこからは他のところと同じくらいになってるわ!」


「マリー! きっとそこに奴らのアジトがあると思うの。 行こう!」


 私達は、奥へと足を進めた......


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 可愛らしい作品で、とてもふわふわした雰囲気が良かったです。 [気になる点] 小説のルール的なものを一部変更しているように感じたので、誤字報告として、直っていない部分を送らせて頂いたのですが…
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