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【37話】魔法練習をしよう!



太陽が丁度、頭の真上に位置する時間。


この間は剣の練習ばかりしていた騎士達も、今日は魔法の練習をしているのか、あちらこちらから色とりどりの魔法陣が浮かんでは消えていた。


そんな中、私とその隣に立った赤髪で緑目の通称--1人クリスマスこと、アストリット・フォンハルデンはと言えば、


「絶好の魔法日和ですね」


「「はぁ」」


「いつも机に向かってばかりいますから、たまには外に出ないと身体が鈍りますしね」


「「そうですね」」


呆気に取られた顔のまま、微妙になんだかテンションの高いヴァルデ・ベルク氏の対応をしている。


どうしてこうなったかと言えば、毒にも薬にもならない理由があって。







「魔法の練習?」


レイが私が言ったことをオウム返ししてきた。


ツェルと街中で鬼ごっこをして、なんやかんやあってレイに助けられて。あれから、5日は経ったんじゃないかと思う。


寝具関連について手助けしてあげた日よりも更に、レイは私の所にちょいちょい遊びに来るようになった。


私が使用人の仕事をしていようとしていまいと知らぬが花で、構わなければゴネる。そして場合によっては攫う。


と言った具合に、如何にもレイらしい対応をされ続けた結果。最近では自我があるモブ代表メイド頭さんでさえ、レイが来たら何も文句を言わなくなってしまったから悲しい。


そんな感じで、どう時間を作ってきたのか、レイに付き纏われている時に、どうせだからと「魔法の練習をしたい」と言えば、


「うーん僕が教えてあげたいけど」


と末恐ろしい提案をされたので、全力で断った。


この国1、いや下手したら世界一魔法を私利私欲の為だけに使ってる人に、教わったところで結果が怖い。


第一、レイは自他共に認める魔法関連で総じてトップに立ってる人だ。


「今更初級魔法?」とか言われた暁には、きっと私は反逆罪で牢屋行きになってしまう。


だから嫌だとアピールしようと思ったら、


「ちょっと最近職務が忙しくてね。僕以外の人に頼もうか」


と、言われたもんだから二つ返事で答えた。


そうしてレイは王子様権限をフル活用して、まず舞踏会まで無かった私のお休みをもぎ取り、騎士団の練習場の1部の使用許可を得、更に講師をつけてくれると言った、珍しく私にとっていい事づくめなことをしてくれた。


スキップしながら待ち合わせ場所に着けば、何故かアストリットが居て、


「なんで居るの?」


と聞いたら、


「なんか第1王子から命令が来てさ」


と返ってきたから、レイの用意してくれた講師とはアストリットのことだったんだ!と喜んだのに。


何故か遅れてヴァルデが来た。







以上がここまでに至る経緯で、さっきから私とアストリットは、


「(なんでこの人が居んだよ。ちょっとお前聞いてみろよ)」


「(貴方が聞いてくださいよ)」


と言った視線を交互に飛ばしあっていた。


ヴァルデルートは好きなんだけど、ヴァルデ本体はそこまで好きじゃなくて。と言うか転生してからちょっと苦手になった。


ブリザード量産機だし、見捨てたし。


唯一、パン屋の店主さんを助けてくれたところだけは高評価だけれど、ほとんど接触なんて皆無だったから人柄も何もほぼ知らない。


そんなヴァルデが何故ここに居るのか、意を決して問いただそうとすれば、ご丁寧にもご本人が説明してくれた。


「アシュレイ第1王子殿下から直々に命を下されまして、本日、御二方の魔法の講師をさせて頂くことと相成りました。ヴァルデ・ベルクと申します。そちらは、」


恭しく自己紹介をしてくれたヴァルデが、アストリットに矛先を向ける。


急に話を振られたアストリットは、妙に背筋を伸ばして、


「王衛第二騎士団所属、アストリット・フォンハルデンです」


後ろ手を組んでそうはきはきと名乗った。


「嗚呼、貴方が最年少騎士の」


「はい。その、俺も今日はアシュレイ殿下より、魔法の訓練をしたい者のサポート及び、復習として訓練に参加するように命じられまして.......」


だから居たんだ。と、2人がここに来た理由は分かったけれど.......。


流れ的に私も名乗らなくちゃいけない雰囲気になってて。


「えっと、その、魔法の訓練をしたい者ことナイです。姓はありません」


強いて言うのなら、女Aが苗字です。


なんだかんだ今まで聞かれても名前オンリーなところを、突っ込まれることがなかったから失念していたけれど、本来名前の後ろにくっ付く姓が無いと、怪しさに拍車がかかってしまうような。


びくびくしながらどうにか名乗れば、


「貴方については殿下から聞いております。お気に入りの使用人が魔法の訓練をしたがっていると」


とヴァルデに返された。


ヴァルデにどんな紹介してるんだレイ。お気に入りじゃなくて玩具の間違いでしょうよ、と思わず訂正したくなる。


「まぁ時間も限られていますし、早速始めましょうか」


パチンとヴァルデが手を叩いたことにより、本日のナイさんの魔法訓練withアストリットが始まった。


余談だが、


「ナイお前、アシュレイ殿下のお気に入りだったんだな」


とアストリットに小声で言われたことについては、首をこれでもかと振って全否定しておいた。







魔法の基礎は、アストリットに教えてもらったから知っている。


けれど魔法を使うにあたって、もう一つ必要なものについての知識はまだ無い。


それは。


「属性」


「はい、属性です」


前提として、属性以外の魔法は使えないらしく、まずは自分の属性にあった魔法を練習してから、徐々に下級中級上級と伸ばしていくのが基本の流れらしい。


普通は産まれた時に、周りに何かしらの変化が出ることで主な属性が分かり、そこから派生で他に使えるサブ属性みたいなものが出てくるそうな。


「まず属性の種類ですね。これはアストリットさん、答えてください」


「えぇっ?!えっと、属性の種類は主に、火/水/土/風/雷/光/闇。それから聖の八属性です。最も希少なのが聖。その次に光と闇です」


アストリットが説明してくれた属性については以下の通りで。


まず【火】

炎魔法に特化した属性で、条件さえ揃えば大規模な爆発を起こすことも出来る。

魔法陣の色は赤で、術者以外が魔法陣に触ると火傷をするらしい。

ちなみにアストリットは火属性。


次に【水】

これは水魔法に特化した属性で、水の塊を弾丸のように飛ばすことも出来れば、洪水を起こすことも出来る。

場合によっては氷さえ作ることも出来るので、何かと応用の利く属性らしい。

魔法陣の色は青。ヴァルデはこの水属性だった。


【風】

風魔法に特化した属性で、ゴロツキが使っていた緑色の魔法陣がこれだ。

威力を上げれば刃物のような切れ味が出て、更に竜巻を起こすことも出来る。


【雷】

雷魔法に特化した属性で、電気系統の技を生み出すことが出来る。

壁や床が繋がっていれば、少量の魔力で広範囲攻撃が出来る優れものな属性らしい。

魔法陣の色は黄色。


【光】

光魔法に特化した属性で、1箇所に集中すれば莫大な威力が出る魔法。

レイとエリーがこの属性で、やろうと思えば火属性同様、爆発めいたことも出来るそう。

更に光属性者はある程度の闇魔法を無効化出来る特権もある。

魔法陣の色は白。


【闇】

闇魔法に特化した属性で、主な効果は呪いや封印。毒関連等も闇属性の分類に入るそうなので、所謂黒魔術に近いものかと。

最も魔法使いらしい属性がこれだ。

ツェルがこの属性で、魔法陣の色は黒。


最後に【聖】

回復や浄化等、ヒーラーに特化した属性。

聖属性のみ、攻撃魔法が無いのも特徴の一つ。

但し現在はサブ属性者は居ても、正式な聖属性者はいない為、詳しいことは分からないそう。

魔法陣は透明でキラキラ輝く。


この他に、収納魔法や鑑定魔法など属性が不明な魔法があったり、色々と細かな法則もあるようで、例えば火属性者はサブ属性に水を持てないなど、対比属性同士の相性もあるそう。


尤も、例外もあるようで。


レイみたいな全属性も他に居るのかと聞けば、


「あんな化け物が何人も居てたまるか」


とアストリットから返ってきた。

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