【14話】再び目撃する
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【名前】ナイ/女A ⚠︎
【年齢】13
【職業】王宮使用人見習い▼
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【好感度パラメーター】
・シャッテン・スティロアビーユ▼
005/100 ︎ ⤴︎
・ヴァルデ・ベルク▼
000/100
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・アシュレイ・スティロアビーユ▼
025/100
【■■】
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ステータスを確認すれば、なんとツェルの好感度がほんのすこーし上がってた。
私のあの対応でマイナスにならないで、むしろ何かの箇所で好感持ってくれてたとか、なんていい人なのだろう。
流石メインヒーローだ。
このステータス確認も、初めよりだいぶ持続性が伸びて、元々1分くらいだったのが、今じゃ5分くらいは持つようになった。
ツェルと出会ったことで、【シャッテン・スティロアビーユ】の項目が開いたし、ここ最近こういう面ではなんの成長も見られなかっただけ、かなり良いのではないかと自分を褒めておく。
それで私がいま何してるかって言うと、ご存知の通り、王宮の行ける所を歩き回ってツェルを探していた。
仕事はって?
洗濯物はちゃんと運んだし、少し離れたくらいじゃたぶん大丈夫そうなんだ。
なんせ、私モブだから。
ここは王宮。私と同じ、王宮使用人見習いなんて沢山いる。
転生した時はモブなんて!って思ってたけど、こう言う時はモブなのがむしろ有難いとさえ思い始めてきた。
だって"誰からも個人として認識される状態"だったら、こんな風におサボり出来ないから。
なかなかモブとしての生き方が、様になってきたんじゃないの?嬉しくないけど。
まぁとりあえずさっきからずーっと、あっちこっち行ってるんだけど、全然見付からないツェル。
庭園で遭遇したのが奇跡なくらい、ツェルがいない。
もしかして"王宮使用人見習い"だと行けない場所に居るのかもしれないけど…………。
そうなると厄介だなぁ。
って思っていたら、ちょっと遠くの方から、
『……から…………なんだよっっ!』
怒声とパシンって乾いた、何かを叩く音が聞こえた。
丁度私が居る通路の反対側、更にもう少し奥の方に開けているスペースから、その声の主が見える。
「(うげっ)」
去年より、ほんのちょっと伸びた背。
去年より、物凄くピリピリした空気は、結構離れてるここからですら、鳥肌が立ちそうなくらい気持ちの良くないもの。
何より目が、びっくりするくらい血走っているのに光が一切ない。
アシュレイ・スティロアビーユ第1王子こと、レイが誰かに向かって罵声を立てていた。
怖い怖い怖い怖い。
あの人あんなに怖かった?!
違うよね?!
去年はもうちょいあっけらかんとしてなかった?
遠くから見てもありありと分かるラスボス的雰囲気。
流石あの人、隠れキャラだ。
確かに私、"王子様"を探してたけど、探してたのは弟の方で兄は今日は探してなかったのに……。
1年掛けて探してたのに全く会えなかった割には、探してない時にこうやってあっさり出てきちゃうんだから。
物欲センサーか何か働いてたのかなぁっと。
相当腹立つことがあったのか、レイの声はどんどん大きくなる。
『ねぇなに君無能なの?こんなことも分かんないの?!』
『申し訳ございません!』
『謝れば済むと思ってるでしょ?!』
ふむ。
なんか、レイの前で土下座してる男の人?が何か分からなかったみたいでキレてると。
レイの言い方が、なんか、浮気されたヒステリー持ちの女みたいな感じになってるけど、大丈夫かな。
「浮気はよくないよ浮気は」
「そうですねぇ」
うん、人様の物に手出すのも、相手がいるのに他所に行こうとするのもよくない。
ついでに言えば私、大の浮気嫌いなので、
「浮気する人は何かしらの罰を受ければいいと思う」
「そうですねぇ」
と、検討違いなことをぶつぶつ言っていた。
その間にもレイはヒートアップして、
『君達みたいなのが居るから、つまらないんだよ!』
とか言ってる。
「いやぁ〜それは理不尽だと思うぞ〜殿下」
「そうですねぇ」
「あの殿下何がつまんないのか分かんないけど、自分がつまんないの人のせいにするのはねぇ」
「宜しくないですよねぇ」
「だよね〜やっぱそう思いま…………す」
ずっと1人だと思ってて、周りに誰もいなかったから、やんややんや野次を飛ばしてたんだけど……。
私今誰と話してるの?!
慌てて声のする方ーー左隣を見れば、
「ところでどうして使用人"見習い"が、こんな所に居るのでしょうか?」
「ヴァ…………」
にっこり清々しい笑顔を浮かべているのに、背景にブリザードが見える。
端正な顔立ちと青い髪。
片眼鏡に王族側近だけが着れる服。
王宮の社蓄代表、ヴァルデ・ベルクが横に居た。
…………いつの間に。
「その紋章は洗濯班の子ですね。自分の持ち場はどうしましたか?」
「お、終わりました」
咄嗟に嘘をついてしまった。
いまのヴァルデがもうやってるか分からないけど、使用人のまとめ役みたいなこともしてたからすぐバレるのになんでついた私。
でも怖いんだよこの背景のブリザードがっ!
向こうの闇落ちしかけてるレイのがまだマシなレベルでは!
「そうですか。そもそも此処は、見習いが入っていいと許可されている場所ではないのですが」
「迷い込みました!」
これは本当!嘘じゃない。
ぼけーっと歩いてたから、気が付いたら見習いが入っちゃいけない所に来てたみたい。
みたいって言うのはね、正直自分でもいまどこに居るか分かってないからなんだ。
「そうですか。なら送りますので付いて来てください」
「はい、ありがとうございます」
ツェルを探してるんだとか、間違っても言えない雰囲気。
伝言とかも…………ダメだなモブだし。
バレて見付かっちゃったものは仕方ない。
ツェルを探すのは今度にして、ひとまずヴァルデに従おうと、渋々ヴァルデの後を追いかけようとした時、
『もう消えちゃえ』
ヴァルデのブリザードが怖くてすっかり忘れていたレイの声が聞こえた。
はい?いま"消えちゃえ"って言った?
レイの方を見れば、なんかぶつぶつ詠唱して大きめの魔法陣を展開している。
あれやばいんじゃないの?!




