一話 天都と界神と幻想と
まぁ、変と思っても言わないでくれ。
自分が一番よく知ってるから。
あー、インフルがキツい
側に置いてある刀に触れる。
鞘からひんやりとした心地よい温度が返ってくる。
刀を持ち上げ、鞘を引き抜く。
芸術品とも言えるほど秀麗な刀身が姿を表す。
そして、僕は思う。
なぜ、人は弱いのだろう、と。
僕は、夢がある。
人の癖に強く、人の癖に僕を畏れない。
雪月花天都を殺す、という夢が。
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「紫、いつまでそこにいるんだ?出てこいよ」
「あら、気付いてましたの?」
「当たり前だろ。」
よくもこうぬけぬけと。雑魚のくせして俺が気づかないとでも?
「紫。俺を連れてくんだろ?早くしろ」
「あらあらせっかちねぇ」
うぜぇ。早く連れてけって言ってるだろーが
「まぁ、いいわ。じゃあ行きますか。私の幻想郷に」
「待ってよ。雪月花天都」
びんびんに殺気をたてながら俺に、待てと言ってくる野郎。
ビビって紫が黙っちまったじゃねぇか。
「うるせぇ。そして死んどけ。界神」
「やだな、そんな物騒なこと言わないでよ」
界神がそんなこと言ってくる。てめぇだって殺気放ってんじゃねぇか
「殺気放ってるやつが言うんじゃねぇ。そして死んどけ」
「殺気放ってても物騒なことは言ってないよ」
うるせぇな。とっとと紫の作った世界…確か、幻想郷とか言ったか?に行きてぇのに。
「揚足とんじゃねぇよカス。死ね」
「僕は死なないよ。死ぬのは君だ。」
そんな、この次元を破壊するより難しいことを言ってのける界神。
「返り討ちにしてやる。遊んでやるからかかってこいや」
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ふ、ふふっ。流石、天都。
私の目が追い付かないほどの領域で戦っている。
天都もそうだが、そんな天都相手に三分以上戦えている界神とやらも、化け物級で強い。
……まぁ、ここ天月の住民はみんながみんな揃って化け物級なのだが。
霊力は霊夢の5倍は当たり前。
妖力は私の3倍は当たり前。
まるで魔境である。なんで神聖さを感じさせる天月という名前なのか。不思議で仕方がない。
そう、諦観の境地に達していると、ナニかが吹き飛んで近くにあった山を半壊させる。恐ろしすぎる。
「雑魚が俺に突っかかってくんな。せめてもっと強くなれ。もう一度言う雑魚は突っかかってくんな。」
雑魚、と言うフレーズを好んで使う天都は今回も、台詞に2回雑魚と織り交ぜている。恐らく、相手の心を完全に折るためだろう。
「じゃあ、行くぞ。」
「どっちかと言うと、連れてけ、ですけどね」
「うるせぇ。殺すぞ。」
それが本当にできてしまうのだから怖い。
「おお怖い怖い。…さて、準備は整ったので行きますわ。このスキマを通ってくださる?」
「あぁ。」
天都が入ったのを確認したあと、私も幻想郷行きのスキマに入る。
界神の待てと言う言葉に気づかないまま。
軌狐録書かないのかだって?
やる気が出ないんだもん。しゃーないじゃん(真顔
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